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試食会も終わり投票も終了。待ちに待った結果発表の時間となった。
gt「皆様お待たせいたしました。投票が全て終わりましたので、これより結果発表を行います!」
グチツボが指を鳴らす。すると、投票箱からピンクと紫の液体が現れた。
gt「皆様にご提出いただいた用紙は選んだ生徒の後ろにあるグラスに注がれていきます。ピンク色がクラシアさん、紫色がゼペルさんに入れた票ですよ!」
「…」
少しずつ、少しずつグラスに票が注がれる。
いくら魔法が解けたとはいえ、ルナの人気とゼペルの悪評がある限りこのコンテストに出場する目的では勝ったとしても、勝負自体の勝ちはとても厳しい。
(まぁいいさ。目的達成ができたのなら)
そう諦めきったその時。
足下に紫色の液体が広がっていた。
gt「お⁉︎おぉぉ⁉︎」
lu「なんで…⁉︎」
司会とルナの動揺と、客席からの歓声。
後ろを振り返れば…
「あ、溢れてる…」
俺の票が入るグラスから票が溢れていた。
隣のグラスを見ればルナの票はすでに3分の2の量で止まっており、圧倒的な「勝ち」を意味していた。
tr「Aさーん!」
驚きで固まっていた俺は、タラコの声で振り返る。
そこにはかつて『何でも屋』の仕事を手伝った時に出会った街の人たちが集まっていた。
「皆さん、どうして…」
yk「Aさんがこのコンテストに出るって分かって、街のみんなで応援に来てました!」
「でも、俺が手伝ったのって数件だけで…」
tr「甘いなぁAさん!依頼主の人たちにも家族や友人、職場とか色々なコミュニティがあるんだから、あっという間に功績は広がるし、こういった時には応援したくなっちゃうんですよ!」
とびきりの笑顔でタラコは言う。
tr「それくらい好かれてるんですよ、Aさんって!」
(好かれてる…)
街の人たちを見渡す。一人一人の笑顔、贈られる祝いの言葉、感謝の言葉。
左に胸にあるのは虹色の心ジュエル。
gt「よかったっすねぇ〜ゼペルさん。もうこのまま『何でも屋』の一員になっちゃいます?」
「いや…あくまで手伝いだけで…」
tr「えー!加入プリズ〜!」
yk「ぷりず〜!」
いや、その、ええっと。
年下の2人や街の人たちから勧められ慌てている俺をみてグチツボは笑う。
gt「さて!結果はゼペル・Aさんの勝利!盛大な拍手を!」
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作者名:あんべべ | 作成日時:2022年12月1日 19時