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「よし、完成です」
家庭科室のテーブルにずらりと並べられた商品の量は人気スイーツ店を思わせるほど。
ゾムのおかげで梱包も可愛くこれは大人気間違いなしだろう。
「ゾム様、ご協力ありがとうございました」
目の前でぱくぱくと朝ごはんを食べている彼は、おう!ととびきりの笑顔を見せながら元気よく反応した。
これから生徒会の仕事も待っているというのだから、彼のスタミナは一体どうなっているのだろう。
(俺なんてもう疲れ始めてるのに…)
恐ろしや、軍人。
zm「あ、そうやA」
「はい?」
今日もチョコ食える?
そう言ってふふんと笑う彼は既に期待しているようだった。
「ちゃんとご用意してますよ。どうぞ」
箱に入ったチョコを渡せば、今日1番のテンションを見せられる。
昨日のマフィンといい、彼の胃袋を俺は掴めているのかもしれない。
zm「ありがとー。てあれ、さっき作ってたやつと違う…」
「そりゃ贈り物ですから。別で用意しましたよ」
きょとんとした目で驚く彼にさっきのが良いのかと尋ねれば、慌ててこっちが良いと返された。
そのあとにンフフと箱を胸元に近づけながら微笑む図は、さぞゲームファンを心を撃ち抜いていることだろう。
zm「ありがと!いただきまーす」
ぱく、とチョコを口に入れたゾムは目をキラキラ輝かせた。
zm「めっちゃ美味い!!昨日のも美味かったけどこれめっちゃ好きやわ!」
まるでキャラに大好物をあげた時のようなリアクションに思わず嬉しくなる。ついでに左手を近づけて確認すると心ジュエルがキラキラと輝いていた。
「チャームマジック、貴方のハートをくださいな」
今日の初ジュエルをチャームに納めた。
昨日で色への耐性がついたとはいえ、やはりソワソワしてしまうもの。
(…そもそも、なんでゾムに恋愛的な好意を持たれてるのかだって)
zm「ごちそーさん。…てA、眉間に皺寄ってるで」
「寝不足ですので」
そんなことはないのだが彼にそれとなく誤魔化しを入れつつ商品の入った箱を持った。
「…よっと、それじゃあお菓子を届けに行ってきます」
zm「俺も集合時間近いし、本部向かうかぁ」
「今日は裏方でしたっけ」
zm「うん。あとで店の方遊びに行くな」
待ってますねと頭を撫で、商品の入ったケースと共にニーアたちが待つ店へと向かった。
zm「…急に頭撫でんなや……恥ずかし」
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作者名:あんべべ | 作成日時:2022年12月1日 19時