恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅵ【男主】 (ページ44)

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3日後。

ut「高い高い高いムリムリムリ！！！」
zm「大先生うっさい喋るなバレるやろ！！」

大先生を俵のように抱えた俺は放課後、学院の北側に来ていた。
任務に関しては一切話さず。ただAのいる場所を見つけたかも知れないとチラつかせただけ。

何よりあそことの違いは、コイツに見つけてもらうのが手っ取り早い。

ut「へぇ〜学院の最北端ってこんな殺風景な作りなんやな。……あ、もしかしてあの塔におるん?」
zm「ちゃう、その奥…って大先生見えとらんのか」

かなり前のことに感じてしまうが。
初めてAと契約を交わした、フラワーフェスのチーノ暴行事件にてミドリくんとAの元へ向かう際にそれとなく魔法をかけられていた。

ーーー

md「ゾムさんｺﾚｰ」

zm「んぇ?何かけたん?」

md「幻視無効魔法」

zm「おーなんやすごい名前の魔法やね。ありがとー」

md「じゃあこの布被って行くよー」

zm「はーい」

ーーー

忘れていた。まあ今日は塔の中へ入る予定は無いため魔法は気にせんでええか。

とりあえず気づかせるため、メガネ外してみと言えば、渋々といった体で外す大先生。
次に聞こえたのは短い驚きの悲鳴だった。

ut「は、え?…は?…いやえ??真っ黒いのあそこに集まって……。はっAちゃんあそこにおるんか!」
zm「そーゆーこと。ほいスピード上げるでー」

止めの声も聞かず更に急上昇。
Aの閉じ込められている部屋の窓まで到着。
コンコンと窓を叩けば少しだけ開いた。

「ゾム様…?」
zm「やっほー」
ut「えっほんまにAちゃん…?」

ウツ様もいるのと聞かれて大先生はいつも以上にウザさのある反応をしていた。

が、しかし。
窓は開いたもののAは一向に顔を見せてくれない。どうしたのかと聞いてもいや別にとはぐらかされる。

zm「A、開けるで?」
「あー…うん。ただ見ても騒ぐのは…ナシでお願いしますね」

Aの言葉で嫌な予感を察知した。
ガタと窓を開けて大先生を放り込んでから、自分も中へと入る。

ut「いったぁ……ってAちゃん⁉︎」
「お、お久しぶりです」
zm「…何があったん?」

Aの左頬にはガーゼが貼られていた。