レイブン！赤い月夜の烏 ページ13
絶賛不機嫌イライラが続いている俺は、こんな状態でもレウの瞳のハートを確認するために教師棟の講師室へ訪れた。
浸透具合としてはかなり良いところまで行ってるとは思うのだが…。
ミドリほどは堕ちてくれないレウ。
かなりの期間でケアも上書きもできなくなるため、今蜜に漬けるしかない。それはもうズブズブに。
元の味がわからなくなるほどに。
(だのに…)
「なぜ」
re『うぅ、急にアイツから巡回の交代頼まれちゃったんだもん…』
ぴぇーと鳴いたレウ。
突如レウは担任に学院内の巡回を交代させられ、早20分が経過。…まもなく男子寮を通過予定。
歩いているところを見られたらマズイのでは…だって?そこは安心して欲しい。ミドリにはいい感じの細工を頼んでいるし、俺は徹底した気配消しを使っているため簡単にはバレない状態にしてある。
re『そういえばAさん、この時間に起きてて平気なの?巡回も学院全体を回るから1時間はかかるし…』
「どうせ寝れないので。…てか人員の割き方下手すぎませんかねこの学院」
こいつに言ってもどうしようもないクレームを言いつつ、どうやって蜜を送るか考える。
サボりも考えたが巡回時に特定のポイントにて印を付ける決まりがあるようで、俺の案は即切り捨てられた。
そんな仕事の怠慢をチェックできるのがこちら、魔法懐中電灯。
魔力を込めると光を放ち、特定ポイントでは個人特有の魔法陣を印として残す事が可能なんだとか。
ちなみに。光属性を扱う魔導士が持つと俺は苦しむ事になる。それこそ1人のハンターから逃げる系のゲームのアイテムと同じ、目眩と光によって目がぁぁぁぁ状態に陥ってしまうのだ。
補足説明はさておき。
そんなメンドーな巡回を1人で行うレウをどうするかだ。
「せんせー野外ってどう思いますか？今の時期暑そうなんですよね」
re「や、野外…？！」
先程まで1人でいる振りをしていたレウは驚きが強かったのか普通に声に出した。
慌てて口を押さえるが遅すぎる。ただでさえ声が大きいと言うのに…。懐中電灯の光のせいで表情はよく見えないが恐らく顔を赤くしていそう。
「誰か外にいるんですか?」
re「えっどうしよ…」
「あーあ……こっちです」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年12月1日 18時
