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相変わらず俺を驚かせるのが好きなのか、ニシシとギザギザの歯を見せながら喜んでいる。
「久しぶりです……ってあれ、ピアスですか?」
久々に見たゾム。その右耳にはキラリと光るピアスを付けていた。おぉと感嘆の声をあげそうなほどに綺麗。
zm「あぁこれ?……期末試験の時から付けてたんよ。やっと見せることができたわ」
似合っとる?と聞いてくるゾム。
そんなの当然YESだ。
「とっても。早くに見れてた人が羨ましいくらいです」
zm「え、ほんまに?」
「ほんとですよ」
瞳を見つめる。フードの影のせいで少し暗く見えるが、変わらず美しい翡翠の瞳。
そのまま笑顔を一つ送った。
するとゾムが頭をわしゃわしゃと撫で始めてくる。よほど嬉しいようだ。
(いやどこに?どれが嬉しかった?)
rb「そういえばゾム。"あれ"報告したん?」
「え、何かあったんですか?」
ゾムの手を握りわしゃわしゃを止めてから尋ねた。
少し恥ずかしいのか、頬を掻きながら「いやー」とか「あー」と言って躊躇っている。
(なんだろ。見た感じ良いことっぽいけど…)
zm「実は覚醒したんよ…第1段階だけど」
な、なんだってー！？流石に元気のない俺もこれには驚いき、ぐいとゾムに近づいてステータスを確認する。
ポワ…と浮かんでくるログには確かに覚醒したという履歴が残っていた。
「おめでとうございます…！」
本当に良かった。覚醒の失敗は貴族たちである彼らには重い負担になる事もエーミールと話して知ったし。だからこそゾムが覚醒できたことが嬉しくて堪らない。
shp「ちょ、流石に近づきすぎ」
「うおっと……あぁごめん」
なぜかショッピに制服を引っ張られ、ストンと席に落ちる。とりあえずでショッピの手を片手でぽんぽん叩く。ちょっと楽しいなと思っていたら小突かれた。
目はゾムの方へ。
ルンルン気分でまた見上げれば俺を見て笑い出した。
「なんで笑うんですか」
zm「だって、、くく…俺より喜んどるから」
「…まぁ確かに」
今後のイベント進行がスムーズになるのだから。まだまだ闇以外には弱い主人公だけでは乗り越えられないことは目に見えている。
強い人が多ければ多いほど助かるのだ。
「…ほんとに、おめでとうございます」
zm「んふふ、ありがと」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年12月1日 18時
