恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅵ【男主】 (ページ7)

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オリエンテーションは順調に進み、旧式魔法と旧式の魔法陣から新しい…現在の形になったのかについて説明を行う事になった。

旧式魔法が使われなくなったのは、禁忌の魔導士が巻き起こした悪夢"暗黒月"から400年後…今からいえば100年前のことである。

当時、禁忌の魔導士が作り出した魔法式を扱っていることはそれすなわち禁忌を悪とみなしておらず、信仰する者達の思う壺。
とかなんとか言い出したある学者がいた。

その言葉は貴族間だけでなく平民にまで浸透する。
結果がこれ。学者達の研究と努力の末今の形が制定されたという。

ここでまず恐ろしいのは禁忌は1人で旧式を創り出していたのに対して、100年前の学者たち大勢で作り上げた現在の魔法式。

……禁忌って何者?頭の中どうなってるんだってほどの魔法知識と作成能力が伺える。

先の時代の者たち…特に魔法に関するスペシャリストが多くいたはずなのに、禁忌1人に負け続けていたということだ。

(チート級にやばいじゃん)

どこか苛々を感じながら授業を聞き続ける。

pi「旧式から現在の形になって、果たして良いことが起きたかと言うと…おっと時間のようだね」

続きはシラバスの該当回で…かな。と言って今回の授業は終了。
生徒達はパラパラと教室を去っていく。

kn「初回から重すぎやろ…」
ut「ほんまそれ」

終わりの号令直後に来た2人にお疲れ様と労いの一言。
しかしぶっちゃけ言えば、いくら他学年と一緒に受けることのできる選択科目であろうと初回から教える内容ではない。

まるで大学の一年通して行う科目の、夏休み明けから何事もなく始まってしまう授業のようだった。

(…てあれ、なんか俺やっぱイラついてるのかな。批判ばっか出てくる)

2人の揃ったため息。

tn「Aさんを見てみ、全く苦じゃなさそうやで」
「これ以上に時間も内容も重い勉強をした経験がありまして」

俺が発言するとトントンは少しだけ反応を示した。
気になるが次の授業までの時間も限られている。
移動をしなければ。

「お二人とも、次はラッダァ先生の実技授業ですので、そろそろ向かいましょう」
ut「せやな〜。トン氏、またお昼〜」
kn「んじゃ俺も行くわ」

トントンの行ってらっしゃいを聞きながら席を立つ。

「ぅ…」

じじじ、と視界にノイズが走った。

tn「どうかしました?」
「…いえ、それでは失礼します」

背後から迫る不憫イベントの気配を察知した。