恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅵ【男主】 (ページ41)

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ヒトランの部屋へ書類を運んでから、今度はルナの元へ向かう。

先に言っておくが、別にルナが嫌いというわけではなかった。実際この数ヶ月生徒会として、同じ学年の人間として交流をしているが、話していて楽しい時の方が多かったし。

何人かの悩みに関しても手を差し伸べており、俺もそこに含まれる。親身になって聞いてくれる彼女は優しさに溢れていた、とは思う。

(ま。全て過去形やけど)

どうしてあそこまでAを敵視しているのかはわからない。思えば4月の時点で既に嫌っていたよな。
何かの事件が起きればすぐ犯人候補にAをあげるし、どうなるかも考えずに光属性の魔法を使おうとするし。

彼が交流のあるテクニカの生徒にも誤った対応をしていた事もあった。

その結果。
ロボロと大先生は表面上の交流しかせんし、今回の件でショッピくんはルナと会う事自体を拒否するようになった。あとオスマンもテクニカの件以降自分から交流をしなくなった気がする。

俺も残念ながら、悠久の杖の事件から交流を減らした。やはり好きな相手を貶されるのは気分悪いし嫌や。

……そう考えると、今もおそらく一緒にいるであろうシャオロンの方が優しさに溢れているのでは？？
本人に言ったら調子乗るし言わんけど。

広間に行けばルナとシャオロンが2人で何か相談を行っていた。声をかける代わりに開いていた扉をコンコンと叩く。

lu「ゾムくん!お帰りなさい」
sho「ん、お帰り〜」

ただいまと手をひらひら振って2人のところへ近づく。話に絶対参加するぞという勢いでシャオロンの隣に座った。

sha「なーんや急に…」
zm「いや?そっちの情報と交換したいなぁーって」

そう言えばルナがキラキラとした瞳で本当にと聞いてくる。1学期であれば少し嬉しかったかもしれない表情も、今はまるでAに破滅を齎そうとする悪の存在に見えてきてしまう。

lu「そっちも調べてたんだね」
zm「少し気になった事があって…な」