恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅵ【男主】 (ページ31)

今日:18 hit、昨日:21 hit、合計:142,945 hit

漆黒ビタースウィートページ31

※暴力表現注意

次に目が覚めた時、俺は絶賛体調不良の状態に戻っていた。
具合の悪さでいえば夏にヒトランやオスマンと花火をした時くらいに軽い…がキツいことには変わりなく。

誰かと話していた気がするが…どこかフィルターがかかっている様にボヤけて思い出せない。

「……いって！？」

身体中が…特に左胸がズキリと痛む。
無理矢理起き上がり確認すれば、シナリオ通りとある人物の指示で完全には治されてはいなかった。

どうやら後半は同じ流れを辿っていたらしい。
腕に巻かれた包帯からは未だ血が滲んでいる。

ガチャン、と鍵の外れる音がした。
噂をすればなんとやら、独房の重い扉が開かれる。
そこにいるのは王国軍統括者…

(シュヴァイン・ヨーグ…)

トントンを養子として家に迎え、キャラクター設定の状態に陥らせた原因の1人。

主人公が実際に交流を行うのは2年生の夏頃。しかしこの事件は王族が通う学院内で暗黒月の再現されたということもあって軍も聴取に来ることになる。

当イベントシナリオにて、トントンから父親が来ていたと話されるシーンがあるそうだ。

Yo「目が覚めたか」

わあ、まるでバケモノを見るかの様な目。
国を守護するトップも俺を犯人として見ているのだと理解した。

Yo「さてゼペル・Aよ。貴様はなぜ暗黒月の再来なぞ考えたのか聞かせてもらおうか」
「そもそも被害者の1人なのですが」

惚けるなよと鼻で笑われる。
おい誰だこんなやつ軍入れたの。騎士道とか軍人としての心得とか重んじてないぞ絶対に。

Yo「あんな闇の大魔術…ましてや旧式を扱えるとなればゼペル家の者しかおるまい。元より禁忌から技術を得ていた一族だ。子孫最後の1人であるお前以外に誰が使えると言う?」
「イ"……⁉︎」

傷の部分に爪を立てられ痛みに悶える。
なんだこの軍人もう少し手順があるだろうにすぐ始めるのか？昭和あたりの警察だって最初から暴力は振るっていないはず。

Yo「さぉ吐け。そうすれば全ての数の手当も考えてやろう」
「チッ………あの一言が全てだ…!」