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魔獣を蹴散らしながら即座に駆け寄る。
浅いが呼吸はあり、なんとか命は保たれている様だった。
(よかったまだ死んでない)
止血するために回復魔法をかけ、彼の周囲に三重で結界を張っておいた。
(……さてと)
「別に誰でもいいよなぁ」
lu「な、何をする気なんですか…!」
ギャーギャー騒いで煩かったからずっと無視していたのだが…ルナが手を掴んできた。
さっきまで震えて回復魔法かけることすら忘れてたやつ、そう思うだけではらわたが煮えくりかえるんじゃないかという怒りが込み上げてくる。
確かに彼はヤベェ宗教の開祖だし俺に対する執着もアレだが、死なれるなんてことは嫌なのだ。
(そんで、これ以上怪我人が増えるのも嫌。
コイツのせいで他の人が頑張り続けるのも嫌)
「離せ。お前みたいなやつに興味ない」
なんで俺コイツに対して怒りの感情を1週間で2回も持たねばならないのだ。
全く！大概にせいよ！！っと台があったら殴りたい。
睨みを効かせて掴む力が弱まったところで、手を振り解きロボロの元へ向かう。
rb「A…!じゃあさっきの槍も!」
ut「え、いつの間におったん⁉︎」
「つい4分前ですかね。…それ」
フラワーフェス1日目の景品だったイヤリングの片方をロボロに投げて目の前で撃ち抜いた。
貯蓄されていた魔力がロボロと同じ風属性になって吸収される。
rb「なんやこれ、力が…!」
「驚いてないで、さっさと倒すぞ〜。ウツ様は得意の遠距離に変えてもらって大丈夫です。カバーは任せましたよ」
ut「はいよ。ありがたくそうさせて貰います〜」
ウツが後ろに下がった所でロボロに声をかける。
「準備はいいか?」
rb「もちろん!」
まるで風と闇のデュエット。
風の刃が魔物たちに踊り狂い、闇が全てを飲み込む。
時折エッセンスとして訪れる炎と氷のスタッカート。
ちらりと見えたロボロはどこか楽しそうな表情をしていた。そして、一瞬星が見える。
「おお、デカイのがお出ましか…」
ゲーム内ではこのイベ最後に出てくるボスモンスターの登場。初手で1番豪華なシャンデリアを破壊されて、部屋の明るさが落ちる。
しかしその暗さは一瞬だった。
俺の周りに3種類の光が現れたのだ。
shp「なんか楽しそうでええなー」
zm「楽しそうやし俺らも混ぜてや」
ci「兄さ〜ん!俺たちのカバーもお願いします〜!」
(…なんかこの3人目がギラギラしてる。戦闘意欲高…)
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年10月25日 12時
