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この空間は実況中継されているので完全な防音遮蔽結界を張ってドール、、、アイルに近寄る。
「大丈夫。今ここは誰にも見えないし聞こえないから。自分らしくいていいよ」
アイルは目を見開いた。
どうして、と。
「俺が元々貴方と同じ、心と体がズレてた人間だったから。それに…女性とかお嬢さんって言葉に嫌悪の反応を示してたし」
前世の俺もその言葉を使われるたびにイラッとしていたから、アイルの反応もすぐにわかった。そんな呼び方を使われたくない事も。
doll『そうだよ、、、俺は男になりたい。でもさ！アイツみたいに、みんなみんな俺のことわかってくれないじゃん！心なんて見てくれないよ！
今までだって男性用って言われる服着てたら声が低くないだの喉仏がないだの身体の形がそもそも違うだの言われてきた！
胸だっていらないのに…俺も友達と海とか行って遊びたいのにさ…
それに親は子供作って孫見せろとか言ってくるんだ。お前らに孫見せるために生まれて来たわけじゃねぇだろなんで俺生んだんだよって感じだしさ！！！！
大体なんでお辞儀とか話し方とかに男女の差を作られてるんだよ別に統一していいじゃんか！！だから格差みたいなの出るんだろ！！
作った奴何考えてんだよ！！まじで！！！』
なんか……
なんか……前世の俺すぎて。
当時不満に思ってたことをこの子は全部代弁してくれた。
doll『好きな人だって作りたい…でもさ、相手が俺みたいなの嫌いだったらどうしようって怖くて…』
「それでも仕草とか笑顔に惹かれちゃうんだよな…」
doll『そうなんだよ！もう…めちゃくちゃ触れたくなっちゃって…』
「あぁぁマジでわかる！でもなんだよな‼︎」
アイルと愚痴も交えつつ、今までずっと言えなかった性別への苦しみと恋愛の甘酸っぱい話をし続ける。
互いに似たもの同士だから話す内容も似てるし、踏まないラインもわかってるから俺も話しやすくてついテンションが高くなる。
(前世でもアイルみたいな人が側にいたら、こんな風に明るく話せてたのかな。なんて)
doll『ふぅ、、、なんかさ』
「うん」
_________わかってくれる人がいるって、
こんな嬉しいことなんだな！
「…あぁ、そうだな」
互いに笑い合う。そろそろ時間、終わりが近い。
doll『あ、聞き忘れてた。俺はスカーレット・アイル。そっちは?』
「ゼペル・A」
doll『そっか。ありがとな！A！』
好感度メーター、150%。
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年10月25日 12時
