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ra視点
その異変は、突然やってきた。
地下にある秘密部屋で、自分の魔力調整を行なっていると壁に描いた魔法陣が前触れなく光出した。
ra「うわぁぁあ⁉︎え、誤作動⁉︎まずいまずい今はやばい！」
地上にいる何も知らない生徒へ闇の魔力が流れてしまう。そんなこと起きたら大惨事……いやAと2人で逃走生活できる?となれば万々歳であるのだけど。
そうなら良いなと思い壁に近づくと、どうやら誤作動ではなかった。
ただ光ってるだけで魔法自体は発動してない。
触っても特に何も起きず。
ra「コンちゃん」
co「はーい。これの説明?」
ra「そっ」
こんな時の万能コンちゃん。
名前を呼ぶと影の中からすぐに来てくれる。
いやほんといい種類に出会えたと言うかなんというか。
聞けばこの光は『属性共鳴』という属性の力を込めた魔法陣と、同じ属性の魔力からなるオーラが響き合って発光する現象らしい。
ちなみに、禁忌の魔術師が作り出した現象であるため旧式でなければ起きない。
今回の場合、闇属性を込めて描かれた壁の魔法陣が外からの膨大な闇のオーラに共鳴して光っているらしい。
だから誤作動でもなかったし、魔力が流れるなんて事故もない。
この場所は元から闇属性の気配とかマナとか色々ありすぎて、俺は気付けなかったらしい。
しかし闇が広がってる、となるとできるのは1人しかいない。
ra「Aに何があったの?」
co「なんか怒る事があったみたい。誰かさんと同じで…いやそれ以上にオーラが出ちゃうようだね〜。……ダメだよ、まだ魔力の調整してて」
矢印みたいな尻尾に出口への道を遮られる。
今行ったらまた作り直さなきゃダメになるんだけど、と紺色の悪魔は面倒だとため息をつく。
ra「でもAが怒ってるんだよ?あのAがだよ?」
co「行きたいなら行けばいいけど、そんな酷い状態で会っていいの?化粧も落としてるのに」
ra「そうだ忘れてたぁぁ」
くまや顔色、ヒビの入った部分もろもろ化粧で誤魔化していたのを忘れていた。
記憶無くすにしても流石にこれは見せたくない。…というか見せてはならない。
co「他の人が確認してくれてるから。諦めてその球体と睨めっこしててくださーい」
ra「…わかったよこれずっと見てるのあんま楽しいものじゃないんだけどなぁ」
分かればよろしい、みたいな表情をする悪魔を横目に調整を再開した。
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年10月25日 12時
