八十六冊 ページ36
「知りませんよ、そんなこと」
「…え?」
「先輩がわからないことを、“無関係”の私に聞かないでください」
「っ、」
桃井先輩が、大きく目を見開く。
当たり前だろう。
自分でもダメだと思うほど冷たい声。
冷たい目。
冷たい表情。
今までそんな顔、それどころか表情に出すこと自体をそこまでしたことがないのだから尚更。
「関係ないことを、そんなにすがるように聞かれたって困ります。というか、無関係なことなんかどうでもいい、って思うのは普通のことだと思いますけど」
「そ、れはAちゃんの本心じゃないでしょ!」
「本心ですよ」
「だって、帝光祭の作文に先輩の役に立ちたいって書いてた!お世話になってるって、尊敬してるって!」
「勘違いも甚だしいですね。同じ部活にいる時点で、先輩にお世話になるのは当たり前でしょう?
バスケが上手い、努力もしてる人を尊敬するのも当たり前です。
役に立ちたいというのは、仕事のサポート面でということ。
それはそれ、これはこれってやつですね。
彼らの関係も貴女の事情も、私には関係ないんです」
ベラベラといつもでは考えられないほど言葉が出てくる。
それほどに不快だった。
憧れていた彼女の顔に、私が一番嫌いなものがこびりついているのが。
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マカロン食べたい(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!!これからも楽しみにしています! (2020年1月21日 23時) (レス) id: 048debb475 (このIDを非表示/違反報告)
レナナミル♪(プロフ) - めっちゃ久しぶりだから更新してくれて嬉しいです! (2020年1月21日 21時) (レス) id: aefdd45bb5 (このIDを非表示/違反報告)
ししざ(プロフ) - 続編書いてくださって有難うございます。更新がんばって下さい! (2020年1月21日 21時) (レス) id: d79b43c1be (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - ミリイ(灰崎信者)さん» うーん…もう出しちゃったから出して欲しくないはもう無理だと思う。だけど、出さないで欲しいならオブラートに包んで、敬語で言うべきだと思います。 (2019年9月6日 16時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - この小説に祥吾様出して欲しくない (2019年7月7日 23時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんびりん | 作成日時:2018年8月20日 18時