仕事人間後輩の不思議な影響【続編】

八十三冊 ページ33

「佐藤と黒子の弁当はバランスがいいな」

「青峰くんはお肉ばかりですからね」

「黄瀬も少し肉類が多かったよ」

「緑間くんは逆に、煮物系が多いですよね。みなさん性格が弁当に出ているというか…」

「確かに」

「佐藤さんはどう思いますか？」

「佐藤はどう思う」



微笑みながら、赤司先輩と黒子先輩が同時にこちらを向く。

その弁当箱小さくないか？よしたまたま持ってたパンをやろう。
と言う流れから強制的に食べさせられているパンを飲み込み、口を開いた。



「トマトが美味しいです」

「トマトか。健康面、美容面にもいい食べ物だな」

「美味しいですよね」



さっきから、たわいも無い雑談がずっと続いている。

相槌をうちながらパンを食べ続けていると、気づけば会話の内容が合宿の話になっていた。



「そろそろ合宿だな。忘れ物には気をつけるように」

「赤司くん、言う相手を間違えていると思います」

「そんなことないさ。２人とも、案外抜けている時があるからね」



私と黒子先輩を交互に見て、赤司先輩は微笑む。

黒子先輩は「そうでしょうか…」と呟きながら首を傾げた。



「これは佐藤に限った話だが、ライトノベルは荷物になる。持ち込み過ぎないように」

「…わかりました」



なんということだ。

…だがこれは先輩命令。

ラノベはとけいも以外も入れて１０冊ほどで我慢をするべきか。



「佐藤さん、５冊以上はダメですからね？」

「え」



…なんて、酷な事を。

絶望する私を見て、目の前に座る２人の先輩は呆れたように笑うのだった。

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