４７：シンデレラの正体 ページ47
そんな理由で狼にされてたまるか！とばかりにサトルさんが口を開く。
「だ、大体凶器は刃物で、武器庫もキッチンも凶器を使われた形跡はないんだろう！？」
「そうだけど、それサトルさん以外にも言える事だしね♪ならユウリちゃんの手料理を食べた人を処刑しちゃえば手っ取り早くないかな？」
「…それつまりリンタロウが食べても処刑対象になるって事だぞ？」
「僕は別〜♪ユウリちゃんの手料理を食べて良いのは僕だけなんだよ、サトルさん♪」
「そ、そうなんですか…？」
「わっ、分かった、以後気を付けるから証拠も無しに狼だなんて言わないでくれ！」
ニコニコと笑うリンタロウさんに焦ったようにサトルさんが言った。
……つまり今回の推理はただのリンタロウさんの悪ふざけだったようだ。もしここで狼が分かれば協力出来るかと思っていたんだけど…。
ここにいるのは温厚なユキナリさんとオサムさんとサトルさんで、リンタロウさんは私の目的を知っているし。
もしここにコウさんが居たら無理だったと思うけれど。
居心地が悪くなったのか、サトルさんは顔色を青くして「私は他の場所を探索するよ…」とキッチンから出て行った。お疲れ様です…。
「…それで、君達は何かを探しに来たようだったけれど？」
場を取りなすようにコホン、と咳払いをしてオサムさんが言った。
そう言えば狼騒動で忘れてたけど、雑巾を探しに来たんだっけ。ユキナリさんも忘れて居たようで、「あ…」と気まずそうに声を上げた。平然としているのは未だ私の手を握っているリンタロウさんだけだ。
「その…雑巾を、探してたんですけど」
「雑巾…？ここには無かったよ」
「そうですか…」
「あぁ、そうだ。コウさんがバケツを運ぶのは見ましたよ」
「コウさんが…？」
「何でも教室を探索していたら部屋の瓶を割ってしまって、中の液体が溢れてしまったとか」
「それを拭くために雑巾を使ったかもね♪まだこの階にあるんじゃないかなぁ♪」
「そうだな…ありがとうございますオサムさん。少し探してみます」
「お役に立てたようで何よりだよ」
嬉しそうに微笑むオサムさんにお礼を言いつつキッチンを出る。
リンタロウさんは廊下を歩きながらも楽しそうに言った。
「シンデレラになったのはユキナリくんじゃなくてコウさんだったんだね♪」
「まだそのネタ引きずってたんだな…」
「って言うか、雑巾＝シンデレラなんですね…」
分からなくも無いけれど。最初はお掃除とかしてるもんね…。
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夕霧(プロフ) - 苺デラックスさん» コメントありがとうございます！私の文章でリンタロウの可愛さやかっこよさを表現出来ているか自信がありませんでしたが、そのように言って頂けて本当に嬉しいです。書きたい事が多く遅々とした展開となっていますが、お付き合いいただければ嬉しいです。 (2018年7月6日 23時) (
レス) id: 814c479c10 (このIDを非表示/違反報告)
苺デラックス - あぁぁぁあー。リンタロウ可愛い！かっこいい！作者さん天才ですよね！？！？更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年7月6日 0時) (レス) id: ca55176d45 (このIDを非表示/違反報告)
akasiro814(プロフ) - ご指摘、ありがとうございました。オリジナルフラグを外しました。初めて使用するとはいえ、迷惑をかけてしまってすみません。今後、気をつけていきます。 (2018年7月1日 16時) (レス) id: 814c479c10 (このIDを非表示/違反報告)
@ - オリジナルフラグ外してねー編集画面を隅々までよく読んで (2018年7月1日 14時) (レス) id: da2bf38fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 | 作成日時：2018年7月1日 14時
