４：会合〈２〉 ページ4
部屋の中には私以外に９人の男女がいた。見たところ、年齢も職業もバラバラなようだ。それに、顔見知りがいると言うわけでもないらしい。
ピリピリと張り詰めた空気が肌を刺すように痛い。
訳も分からずに連れてこられて楽観できる状況ではない事は分かっていたけれど、それでも殺伐とした雰囲気に気が重くなる。小さく溜息をつくと、メガネをかけた女の子が頭を撫でてくれた。
「大丈夫？ユウリちゃん」
「あ…はい、すみません…えっと、あなたは…」
「あぁごめんね、名前言うて無かったね。私は森ミサキ。女の子同士仲良くしてや」
「はい…ええと、よろしくお願いします」
「それにしても…重い雰囲気やねえ。何があるか分からんのやから、皆仲良くしたらええのに」
困ったもんやねぇ、とミサキさんが苦笑する。だけど、この状況では致し方ないということも分かっているんだろう。
私としても皆がギスギスしているよりも、和やかに居られれば嬉しいのだけど…何しろ状況がさっぱり分からない。この部屋から得られる情報なんて何もなさそうだし。
皆に共通点がない事もネックなのかもしれない。攫われたというマイナスの共通点では和やかも何もない。むしろ疑心暗鬼になるだけだ。
「う、うぅ、どうして私がこんな目に…」
「ほんとだよね…ここはどこで、私達は何のためにここに集められたんだろうね？」
「やりかけの仕事が残っているのに…困ったわね」
少し離れた所では３人の女の人が話し合っている。ミサキさんが小さな声で小宮チエさん、高山マキさん、海堂ミホさんだと教えてくれた。
チエさんはセーラー服を着ているけれど２７歳で、マキさんはジャーナリスト、ミホさんは弁護士らしい。
……本当に共通点がない。職業だけ見れば、の話だけれど。
他には精神科医の米森サトルさん、警察官の小島タケオさん、俳優の土屋タクヤさん、教師の永井オサムさんが部屋の隅で何やら話し合っている。話の内容までは聞こえなかったけれど、表情はとても険しかった。
「…これから何が始まるんだろ…」
「すっごく楽しみだよねー♪」
「ひゃあっ！？」
小さく呟いたつもりだったのに、いつの間にかそばに来て居たリンタロウさんがひょっこりと顔を出した。驚いて後ずさろうとした拍子に自分の足につまずいて体勢を崩す。
咄嗟に手を伸ばしたけれど掴めるものは何も無くて、痛みを覚悟してギュッと目を瞑る。だけど覚悟した痛みはいつまでも襲ってくる事は無かった。
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夕霧(プロフ) - 苺デラックスさん» コメントありがとうございます！私の文章でリンタロウの可愛さやかっこよさを表現出来ているか自信がありませんでしたが、そのように言って頂けて本当に嬉しいです。書きたい事が多く遅々とした展開となっていますが、お付き合いいただければ嬉しいです。 (2018年7月6日 23時) (
レス) id: 814c479c10 (このIDを非表示/違反報告)
苺デラックス - あぁぁぁあー。リンタロウ可愛い！かっこいい！作者さん天才ですよね！？！？更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年7月6日 0時) (レス) id: ca55176d45 (このIDを非表示/違反報告)
akasiro814(プロフ) - ご指摘、ありがとうございました。オリジナルフラグを外しました。初めて使用するとはいえ、迷惑をかけてしまってすみません。今後、気をつけていきます。 (2018年7月1日 16時) (レス) id: 814c479c10 (このIDを非表示/違反報告)
@ - オリジナルフラグ外してねー編集画面を隅々までよく読んで (2018年7月1日 14時) (レス) id: da2bf38fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 | 作成日時：2018年7月1日 14時
