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26:現状と現実 ページ26

3人で下のリビングに戻ると、既に探索を終えた人達が集まっていた。それぞれの顔を見れば出口が見つからなかったのが分かる。
まぁ…そんなに簡単に出られるとは思っていなかったけれど。簡単に出口が見付かるようであれば、主催者もこんな手の込んだことはしなかっただろう。
それでも収穫はあったようで、絶望しているようには見えないけれど。

「さぁ、みんな何を見つけたか報告してほしい」
「下の階は出られそうなドアとか窓は全然なーし」
「キッチンの冷蔵庫には食料と水があったな…」
「…つまり、数日間はここで過ごす事を前提としてここに連れて来られたって事ですか?」
「あるいは、な。俺には主催者が何を考えてるのかなんて分からないよ」
「私たちが探した2階にも特に出られそうな場所はなかったんだけど…凶器になりそうなものや薬品を置いてある部屋があったんだよね…まるで、私たちに使えと言っているみたいに…」
「「……」」

物騒な言葉に嫌な沈黙が落ちる。
まるでゲームを促すような創りの部屋が多い。いや、促すために主催者は私達をここに連れてきたのだろうけれど…。
これだけ条件が整っていれば、いつ何時事が起こってもおかしくはない。それを現実として突きつけられて、思わず俯いてしまう。
誰も処刑されずにこの場所から出る事が出来れば。その思いは今も変わらない。だけど現実がそれを許してくれていないような気がする。

「さ、3階にもでられそうなとこはなかったわ…ただ、学校の教室みたいな部屋があったんだけど…その部屋の黒板に「羊たちへ。君たちは本当の自分に気がついているか?」って書いてあったの」
「「本当の自分」?どういう意味だ…?」
「ここから出るヒントか何かかな♪」
「…本当の自分に気付くことが出来ればここから出ることができるって事ですか?」
「多分ね。まぁ確証はないけど♪」
「本当の自分って、私の…ムググッ!?」
「誰しも自分の本性からは目を背けがちだからね〜♪現実を直視して廃人になってここを出る…なんて事にならなければ良いけど♪」
「ふ、不吉な事言わんといてや!」

言葉を続けようとすれば、それを制するようにリンタロウさんに口を塞がれた。何でだろう、と思ったけれど、口を塞がれた状態では聞くこともできない。
…って言うより鼻も塞がれてます息が出来ません苦しいですリンタロウさん…!!
バシバシと口を塞いでいるリンタロウさんの腕を叩いてもリンタロウさんはにこやかに私の口を塞いでいた。

27:主催者の思惑→←25:繋がらない記憶



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設定タグ:狼ゲーム , 飯田リンタロウ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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夕霧(プロフ) - 苺デラックスさん» コメントありがとうございます!私の文章でリンタロウの可愛さやかっこよさを表現出来ているか自信がありませんでしたが、そのように言って頂けて本当に嬉しいです。書きたい事が多く遅々とした展開となっていますが、お付き合いいただければ嬉しいです。 (2018年7月6日 23時) (レス) id: 814c479c10 (このIDを非表示/違反報告)
苺デラックス - あぁぁぁあー。リンタロウ可愛い!かっこいい!作者さん天才ですよね!?!?更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2018年7月6日 0時) (レス) id: ca55176d45 (このIDを非表示/違反報告)
akasiro814(プロフ) - ご指摘、ありがとうございました。オリジナルフラグを外しました。初めて使用するとはいえ、迷惑をかけてしまってすみません。今後、気をつけていきます。 (2018年7月1日 16時) (レス) id: 814c479c10 (このIDを非表示/違反報告)
@ - オリジナルフラグ外してねー編集画面を隅々までよく読んで (2018年7月1日 14時) (レス) id: da2bf38fbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作成日時:2018年7月1日 14時

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