２５：繋がらない記憶 ページ25
不機嫌を露わにしてユキナリさんを睨み付けるリンタロウさんと、その視線を平然と受け止めるユキナリさんに挟まれて気まずい思いをしながらも改めて懐中時計を見る。だけど、やっぱり見覚えはない。
という事は、本当に知らないか、知っていても記憶を失う前のものなんだろう。
正直、ユウヤもユウリもありふれた名前だから、本当にこれが私の名前なのかも分からないし…だとしたら、何故ここにあるのか説明がつかないんだけど。って事は、これは私のもの、なんだろうか。そしてユウヤさんは、私の知り合いで…私の過去を知っているんだろうか。
「これ、どこで見つけたんですか？」
「３階にある病室みたいな所だよ。ガラスケースに入ってたんだ。ご丁寧に鍵までかけて」
「ふぅん。よっぽど大切なモノみたいだね」
「中にユウリさんの名前が彫ってあったから、何か知ってるのかなーって思ったんだ…他の部屋に気になるものもあったし」
「気になるもの？」
「トーテムポールとか？」
「…あったらかなり気になるだろうけどそんなもの無かったよ」
呆れたように言うユキナリさんに、リンタロウさんは「そっかー、つまんないの」と本当につまらなそうに言った。
…確かに何があってもおかしくはない状態なんだけど…トーテムポールがあったら流石に驚くかも。
「ま、まぁ、それは皆が集まってから伝えるよ」
「そうだね、二度手間になるからね♪」
「それに、そろそろミサキさんと合流しないと…」
「そう言えばユキナリさんはミサキさんと探索していたんですよね」
「うん。懐中時計を見付けたから俺だけここに来たんだ。３階の探索は殆ど終わってたし。他にも何か見つかるかもしれないからってミサキさんは上に残ったんだけど」
「そっか♪じゃあ他の皆も探索は終わった頃かもね♪取り敢えず一度合流しようか」
「俺はミサキさんを呼んでくるよ」
そう言ってユキナリさんは部屋を出て行く。ちょうどその時、部屋の探索を終えたらしいタケオさんが来た。
その顔を見れば探索の成果が思わしく無かった事は一目瞭然だった。
「妙な部屋だな、ここは…いや、どの部屋もそうか。出入り口以外の扉が見つからねぇ」
「って事は、やっぱり出口はないって事だね♪困ったね〜♪」
「お前の言動を見てるとちっとも困ってる風には見えないんだが」
「えーっ、心外だなぁ。僕とっても困ってるのに」
とても困っているようには見えない笑顔のリンタロウさんに、タケオさんは深々と溜息をついた。
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夕霧(プロフ) - 苺デラックスさん» コメントありがとうございます！私の文章でリンタロウの可愛さやかっこよさを表現出来ているか自信がありませんでしたが、そのように言って頂けて本当に嬉しいです。書きたい事が多く遅々とした展開となっていますが、お付き合いいただければ嬉しいです。 (2018年7月6日 23時) (
レス) id: 814c479c10 (このIDを非表示/違反報告)
苺デラックス - あぁぁぁあー。リンタロウ可愛い！かっこいい！作者さん天才ですよね！？！？更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年7月6日 0時) (レス) id: ca55176d45 (このIDを非表示/違反報告)
akasiro814(プロフ) - ご指摘、ありがとうございました。オリジナルフラグを外しました。初めて使用するとはいえ、迷惑をかけてしまってすみません。今後、気をつけていきます。 (2018年7月1日 16時) (レス) id: 814c479c10 (このIDを非表示/違反報告)
@ - オリジナルフラグ外してねー編集画面を隅々までよく読んで (2018年7月1日 14時) (レス) id: da2bf38fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 | 作成日時：2018年7月1日 14時
