３７：推論、また推論 ページ37
つまり、狼は私達を追い掛けた後にタクヤさんを追い掛けて残忍な方法で殺した、と言うことになる。これもまた推論だけれど。
リビングからお面を取って武器を調達した事を鑑みれば、かなりの時間、誰にも見つからないようにと神経を張り詰めていただろう。この状況下でそれは容易な事ではないと思う。
「…だとしたら、狼は凄く体力があって、力が強い人…って事になりますね」
「そうだね…その条件だけ見るとタケオさんがかなり当てはまりそうな気がするんだけど」
「警察官ですからね…体力も力もありそうですよね…」
「それだけで狼だって決めつけるのは早計だけどね。けど、タケオさんが狼だとしたらこんなあからさまにタクヤさんを殺すかな？」
ユキナリさんが首を傾げる。狼の犯行に思うところがあるみたいだ。
どういう事ですか？と聞くと、ユキナリさんは続けた。
「サトルさんは自分の犯行だってバレないように偽造工作してたよね？」
「ええと…そうですね。刺殺に見せかけて毒殺でしたから。一度は皆、タクヤさんを疑ってました」
「つまりさ、狼は自分が殺したって目が向かないように殺すと思うんだよ。俺が狼でもそうする」
「……つまり、明らかに体力も力もあるタケオさんがそんな殺し方はしないって事ですか？」
「これも推論になっちゃうし、ブラフなら意味ないんだけどね…それに実際体力と力が無いと出来ない犯行なわけだし。狼の用意周到さも、犯罪を間近に見て来たタケオさんなら自然だと思うんだ」
リツさんの言う通り、タクヤさんの死体の側に不自然に留まっていたのも事実だし。とユキナリさんが付け加える。
それほどまでにタケオさんはタクヤさんの近くに居たんだろうか。警察だから慣れている、現場検証も素人よりは出来るはず。そう考えての行動だと思っていたんだけど。
「つまり、昨日武器庫を見張るって言い出したのもこの時のためのブラフなのかも…って思えるんだよね」
「見張りをしている間に、あそこまでされるだけの恨みを買った可能性も…ない、わけじゃないんですよね」
「まぁね。でも……なんかイマイチ、ピンと来ないんだよね。逆にあからさますぎるって言うか、視線が逸らされてるっていうか…」
「それすらもブラフの可能性がありますからね……」
「ほんと、主催者は良い趣味してるよ…」
全てがブラフと取れるこの状況で、何が正しいのかを見極めるのはかなり難しいんだろう。狼のお面を見つめながらも、ユキナリさんは吐き捨てるように言った。
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夕霧(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます！初めから見てくださっていたとのこと、半年間も途絶えていたのに引き続き読んでくださってありがとうございます…！なるべく毎日更新していこうとおもっていますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年5月16日 22時) (
レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - �気�ら見てますがとても面白いです！続きまってます♪ (2019年5月16日 7時) (レス) id: 1c94817be9 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - ノワブラ−αさん» リクエストですか…してもらえたら嬉しいですね笑いつになるか分からないですが、参考にさせてもらいます！ (2019年5月11日 22時) (レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
ノワブラ−α(プロフ) - あ、ネタはリクエストしてみてはどうですか？シチュエーションとかがわからない場合は少し書いてもらうとかもありかもですよ (2019年5月10日 21時) (レス) id: cf6ea17fd6 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - ノワブラ−αさん» イタズラしてみた、とか、告白してみた、みたいな感じですかね？ネタがあればやってみます！（笑） (2019年5月9日 0時) (レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 | 作成日時：2018年8月23日 21時
