３０：知識の源 ページ30
何冊目かの本を読み終えて本棚に戻す。タイトルを見て流し読みしただけだけど、ゲームに関する情報は書かれていなかった。
読書は好きだけれど、これだけの量の本を読むにはかなりの集中力を必要とするだろう。分かっていても、狼の事が気にかかって完全に集中することができない。これじゃあ本を読んでいる方が無駄な時間なんじゃないかと思えてくる。
思考を切り替えようと視線を上げると、何やら真剣に本を読み込んでいるリンタロウさんが目に入った。
「リンタロウさん、何か手掛かりは見つかりましたか？」
「うん…これはかなり参考になりそうだと思うよ♪」
「ほ、ほんとですか！？」
「うん♪国内だけじゃなくて海外の教会の情報がたくさん、」
「何見てたんですかリンタロウさん！？ていうか本当にそんな本置いてあったんですね…！？」
何で殺し合いをさせる場所に挙式用の本があるのか。主催者がブラフのために置いておいたんだろうか。だとしたらどんなブラフなんだろう…。
真面目に探せていたとは言い難い自分が言えることではないけれど、リンタロウさんは傍観者のような立ち位置にいるような気がする。
逆に言えば、私たちはかなりゲームにのめり込んでいるとも言えるけれど。リンタロウさんのようにゲームを客観的に見れば、見え方が変わったりするんだろうか。
そう思っているとリンタロウさんがケラケラと笑った。
「冗談だよ♪流石の僕でも今はゲームの情報を探した方がいいって事くらい分かってるよ。ユウリちゃんと二人で脱出するためにね♪」
「…そ、そうですか。で、何の本を読んでたんですか？」
サラリと恥ずかしいことを言うリンタロウさんに恥ずかしがっているのがバレないように聞く。多分バレてるけど。証拠にニヤニヤしながら私を見ている。
だけどそれについては突っ込まないようで、ホラ、と読んでいた本を広げて見せてくれた。
「これ、マザーグース。他にもゲーテとかシラーとかミヒャエル、フランツ、シェイクスピア…グリム童話もあったよ。ドイツの古典文学とか、オサムさんが好きそうだよねぇ♪」
「マザーグース…って、伝承童話ですよね。それに古典文学…本当にジャンルはバラバラなんですね」
「あっちには漫画とか宗教系統とか呪術系統の本もあったよ。まるで不特定多数の人が読むことを想定していたみたい♪」
確かに、不特定多数というよりも、私達に合わせて集められたようなジャンルばかりだ。
やっぱり私達は意図的に集められたんだろう。
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夕霧(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます！初めから見てくださっていたとのこと、半年間も途絶えていたのに引き続き読んでくださってありがとうございます…！なるべく毎日更新していこうとおもっていますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年5月16日 22時) (
レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - �気�ら見てますがとても面白いです！続きまってます♪ (2019年5月16日 7時) (レス) id: 1c94817be9 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - ノワブラ−αさん» リクエストですか…してもらえたら嬉しいですね笑いつになるか分からないですが、参考にさせてもらいます！ (2019年5月11日 22時) (レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
ノワブラ−α(プロフ) - あ、ネタはリクエストしてみてはどうですか？シチュエーションとかがわからない場合は少し書いてもらうとかもありかもですよ (2019年5月10日 21時) (レス) id: cf6ea17fd6 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - ノワブラ−αさん» イタズラしてみた、とか、告白してみた、みたいな感じですかね？ネタがあればやってみます！（笑） (2019年5月9日 0時) (レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 | 作成日時：2018年8月23日 21時
