２５：決意新たに ページ25
その後少し話をした後、時間が惜しいからとユキナリさんは他の部屋へと向かった。
…ユキナリさんはどうしてああも前を見つめて行動できるんだろう…。その限りではリンタロウさんもあまり人が殺されていても気にしている素振りを見せて居ないんだけれど。あぁ、でもコウさんも冷静だったし、タケオさんも職業柄か慌ててはいなかった。オサムさんも顔色は悪かったけれど、掻き乱している様子はない。
…男の人って、こう言う話題に関してはシビアなんだろうか。ふと、そんな事を考えてしまう。そういえば昔院長先生に「男と女の脳の作りは違うから根本的な思考も違ってくる」って聞いたことがある…ような、気がする。うろ覚えだけれど。
それに…落ち込むことは悪いことではないけれど、落ち込んでいるだけじゃ前に進めない。思考を閉ざしていたけれど、狼を探すだけがここから出る条件じゃない。
「…リンタロウさん」
「なぁに？キスして欲しいの？」
「……いえあの、ちょっとお話が」
「式場の話？何処がいいかなぁ、海が見える教会とか良いよね♪」
「そ、そうじゃなくてですね…！？ぁ、あの、私、そんなに甘やかされなくても、進みますから…！」
「…そっか。じゃあ、式場の話はここを出てから、だね」
……何か違う気がするのだけど、どう訂正すれば良いのかわからなくなって小さく頷いてしまう私である。
…ええと。まぁ、甘やかされてばかりじゃ、ちっとも進めないのは確かだし。それでなくても甘えてしまっているのだから、こうして言葉にするのも大切だろう。うん。
誰に言い訳してるわけでもないけれど小さく頷く。
「で？ユウリちゃんは具体的に何をしようと思ってるの？狼の証拠集め、では無さそうだけど」
「……このゲームの真相を、知りたいんです」
「どうして…？」
「確かにメリーもウルフも「狼を見つけ出せば「脱出への扉」が開く」とは言ってましたけど…実際に出られるのは「真実を知った時」だって言ってました。でも皆、羊を殺した狼しか探そうとしていません。それが間違ってる訳じゃないですけど…でも、それじゃあ何度狼を見つけても外に出られないって事ですよね？」
「つまり、皆が狼の真実を探すなら、ユウリちゃんはゲームの真実を知りたいってこと？」
「わ、私なんかが真実の一部でも…カケラでも見つけられるか分かりませんけど…でも、このままゲームを進めていたら、手遅れになりそうで…」
縁起でもない事だけど、素直にそう感じてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夕霧(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます！初めから見てくださっていたとのこと、半年間も途絶えていたのに引き続き読んでくださってありがとうございます…！なるべく毎日更新していこうとおもっていますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年5月16日 22時) (
レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - �気�ら見てますがとても面白いです！続きまってます♪ (2019年5月16日 7時) (レス) id: 1c94817be9 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - ノワブラ−αさん» リクエストですか…してもらえたら嬉しいですね笑いつになるか分からないですが、参考にさせてもらいます！ (2019年5月11日 22時) (レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
ノワブラ−α(プロフ) - あ、ネタはリクエストしてみてはどうですか？シチュエーションとかがわからない場合は少し書いてもらうとかもありかもですよ (2019年5月10日 21時) (レス) id: cf6ea17fd6 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - ノワブラ−αさん» イタズラしてみた、とか、告白してみた、みたいな感じですかね？ネタがあればやってみます！（笑） (2019年5月9日 0時) (レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：時雨 | 作成日時：2018年8月23日 21時
