２１：ゲームスタート ページ21
２度目の殺人。始まるゲーム。必然とリビングの空気が凍りつく。
昨日ユキナリさんと私が逃げられたのは、ただの幸運だ。少し間違えれば、私達がキッカケでゲームが始まっていた。そう思うと背筋が凍る。
「だれか殺されたのかな♪」
「上の階から聞こえたよね？」
「こうしてても何にもならないし、行ってみようよ♪ユウリちゃん、大丈夫？」
「は…はい…大丈夫、です…」
リンタロウさんの問いかけに何とか返事をする。だけど、自分でも呆れるほどにそれは大丈夫ではなかった。
こうまで取り繕うことが出来ないなんて…昨夜の出来事が相当に堪えていたみたいだ。覚悟しようとしていたはずなのに、ちっとも出来ていない。
ここまで来ても現実から目を逸らしてしまう。泣き叫べば、許して欲しいと恥も外聞も捨てて許しを乞えば、主催者は助けてくれるんじゃないか。そんな甘い事を考えてしまう。
その程度で許されるなら、初めからこんな事はしないだろう。頭の片隅で冷静な自分が叱りつける。だけど、私の身体は現実と向き合う事を拒絶していた。
進まなければ。知らなければ。進みたくない。何も知りたくない。矛盾した考えが頭をもたげて、消えていく。返事をしたくせに一歩も踏み出そうとしない私に、見かねたユキナリさんが心配そうに振り返る。
「……ユウリさんは、ここにいる？」
「…いえ、大丈夫です…ちゃんと、行きます…！！」
「って言ったってお前、顔面蒼白通り越してゾンビみたいになってるぞ？」
「でも…私も参加者なんですから…ちゃんと見て…知らないと…！」
「…こいつも狼候補である以上、一人でここに置いていかないだろう。一人になった途端に証拠隠滅でもされたら面倒だ」
「そんな…こんなの、演技でできる事じゃ…」
「医者が人を殺したんだ。可能性は少なくても「ない」わけじゃない」
「なら、僕がユウリちゃんを連れて行くよ♪それでいいでしょ？」
言うが早いか、リンタロウさんに抱き抱えられる。突然の事に驚く暇も無かった。
恥ずかしさに顔が火照り、なぜか異様に近いリンタロウさんの顔を押し退けながらも「大丈夫です、歩けますから！」と辞退しようとしたけれどリンタロウさんはどこ吹く風だ。
他の人達もこれ以上この話題に時間を割く事は出来ないと思ったのか、それともリンタロウさんに何か言うだけ無駄だと思っているのかこちらをチラリと見ただけで何も言う事なくリビングを出る。
それに満足そうに頷いてリンタロウさんも後に続いた。
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夕霧(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます！初めから見てくださっていたとのこと、半年間も途絶えていたのに引き続き読んでくださってありがとうございます…！なるべく毎日更新していこうとおもっていますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年5月16日 22時) (
レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - �気�ら見てますがとても面白いです！続きまってます♪ (2019年5月16日 7時) (レス) id: 1c94817be9 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - ノワブラ−αさん» リクエストですか…してもらえたら嬉しいですね笑いつになるか分からないですが、参考にさせてもらいます！ (2019年5月11日 22時) (レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
ノワブラ−α(プロフ) - あ、ネタはリクエストしてみてはどうですか？シチュエーションとかがわからない場合は少し書いてもらうとかもありかもですよ (2019年5月10日 21時) (レス) id: cf6ea17fd6 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - ノワブラ−αさん» イタズラしてみた、とか、告白してみた、みたいな感じですかね？ネタがあればやってみます！（笑） (2019年5月9日 0時) (レス) id: 069354e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 | 作成日時：2018年8月23日 21時
