297.零さんと ページ50
安「今は少し暑いかもしれませんが、身体が冷えると悪いですから何か羽織るものを持っていきましょうか」
「ブランケットがあるのでそれを持っていきましょう。星が綺麗に見えるらしいので、気になってたんですよね」
安「それなら誘って正解だったようですね。
他の人に見つかる前に行きましょうか」
「はい!」
昼間にも歩いたはずの場所でも、夜になると見える景色が違って少し怖くなる。
それを察してくれたのか、安室さんが手を繋いでくれる。
安心と恥ずかしさで下を見ながら、開けた場所まで歩いていく。
安「ここのようですね。ベンチもありますし、座りましょうか」
「ですね。…管理人さんの言う通り、広場よりも綺麗に星が見えますね」
降「そうだな。
A、今聞くべきことでは無いかもしれないが、答えを聞かせてくれないか?」
「え…?」
降「多分だが、もう答えは出ているんだろう?
そして、ヒロ達はその答えを知ってる、違うか?」
「なんで、そう思うんですか…?」
降「薄々気付いてはいたんだ。
それにある話を聞いた、ハギとAが抱きしめ合っていたと」
「っ!誰からその話を?」
降「それは秘密だ。…その様子からして本当だったんだな。
俺は、Aがちゃんと返事もせずに付き合い出す様なことはしないと思っている。違うか?」
「……違いません、その日に研二さんに返事をしたんです。それで、区切りをつけるためにって…」
降「やはりそうだったか。答えを出したということは決まったんだろう?」
「はい…!私は、零さんの気持ちには答えられません…零さんのことは大切ですし、好きです!でも、違うんです…」
降「あぁ、それでいい。最初から何となく分かっていたんだ。
Aは、松田のことが好きなんだろう?」
「…はい!」
降「そうか…うん、Aの口からちゃんと聞けて良かったよ。俺は、というより俺達はAが幸せならそれで良い。幸せになれ」
「はい…!ありがとうございます、零さん!
零さんがいたから出来たこともあります。だから、零さんと話せるようになって、仲良くして貰ってとても嬉しかったです!」
降「何を別れの挨拶みたいなことを言っている。
Aが嫌がっても隣にいさせてもらうからな。」
「ふふっ嫌だなんて思いませんよ。私もこれからも一緒に居たいと思ってますから」
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作者名:夜桜 | 作成日時:2020年4月3日 23時