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ゲームセンターで遊んだり、雑貨屋さんなんかを見て回ったりしていると、あっという間に時間が過ぎていた。
諸｢時間もあれだし、そろそろ帰ろっか。
あ、どこか他に行きたいところとかあったりした？｣
｢えっと、行きたいところはあるんですけど、このモール内じゃないんですけど、良いですか？｣
諸｢もちろん！遅くなってもちゃんと送るから安心して｣
｢ありがとうございます！あの、＿＿＿なんですけど｣
諸｢！うん、分かった。じゃあ、とりあえず車まで行こっか｣
｢はい！｣
やっぱり驚くよね。
わざわざ行くようなところじゃないし…
行き先を伝え、目的地に着くまで会話はなかった。
でも、丁度いいかな？
気持ちを落ち着けることが出来る。
諸｢Aちゃん、着いたよ。
…本当にここで良かったの？ここってあの時の廃ビルでしょ？｣
｢ここでいいんです。景光さんに伝える時はここにしようと思ってたんです。
だってここは、景光さんと話すキッカケになった所ですから｣
諸｢そっか、じゃあ、返事聞いてもいい？｣
｢もちろん、返事はします。その前に上にあがりませんか？｣
諸｢いいけど、何かあるの？｣
｢秘密です！あ、ちょっと先に行きますね。
ゆっくり上がってきてくださいね〜｣
諸｢分かったけど、気を付けてね？足場悪いから｣
｢はーい！｣
景光さんにはゆっくり上がってきてもらい、少し先に屋上へ上がっていく。
階段を登りきり、真っ直ぐと端の方へ歩いていく。
今私の目の前にある場所は、本来では景光さんが亡くなるはずだった場所。
そこにこっそり買っていた小さな花束を供えて手を合わせた。
まだ景光さんをそちらに行かせたくありません、だからまだ連れていかないでください。
そう願っていると、後ろから階段を昇ってくる音が聞こえる。
諸｢Aちゃん、したかったことは出来た？｣
｢はい！わがままに付き合ってくれてありがとうございます。｣
諸｢んーん。待った方がいいんだろうけど…
ね、聞いてもいい？｣
｢今度こそちゃんと伝えます。お待たせしてすみません｣
景光さんの目が花束を見たのが見えたけど、何も知らないフリをしてくれたんだろう。
私もその事には気付かないフリをし、何時もよりしっかりと呼吸をして景光さんと目線を合わせた。
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作者名：夜桜 | 作成日時：2020年4月3日 23時
