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少し落ち着きを取り戻し、研二さんに抱きしめられたまま大人しくしていると、背中に回された腕が離れていく。
萩｢ありがと、これで少しは踏ん切りがつきそうだよ笑｣
｢研二さん、改めて言います。
私と友人になって、こんな私を好きになってくれてありがとうございます。
これからも一緒にいると研二さんに辛い思いをさせるかも知れません。
それでも、友人として一緒にいてくれますか？｣
萩｢もちろん！Aちゃんの幸せは俺の幸せでもあるんだから、幸せになれるようにそばで見させてよ。
だからさ、友人として、Aちゃんを好きになった一人として、応援してるから！
泣かされたら相談してくれる位の立ち位置には居させてよ。｣
｢ふふっもし本当に泣かされたら研二さんのところに行きますからね？｣
萩｢その時は歓迎するよ！笑
さて、そろそろ帰らないと心配されちゃうよね？車の所まで戻ろっか｣
｢はい！｣
車に戻る時も、私を家に送り届ける時も、以前と変わらない笑顔で接してくれる。
その優しさに甘えすぎないようにしなきゃいけないよね…
萩原side
今日ついにAちゃんが返事をくれる。
でも、返事を聞く前から答えは分かってた。
Aちゃんとはそれなりに長い付き合いになって、ある程度は考えもわかるようになってきた。
それが嬉しくない方向のことでも、気付いてしまう。
Aちゃんが目を覚ましてから、気付くか気付かないか程の変化…
それに気付いてしまった。
Aちゃんの想いは俺をすり抜けて別の人へ向けられている。
その事実に気付いた時は辛かった。
それでも、やっぱりAちゃんが好きで…
少しでもそばにいたくてカッコつけて、Aちゃんの幸せが俺の幸せなんて言って、少しでもそばにいようともがいた。
それに、偶然なんだろうけどAちゃんを抱きしめている時、少し向こうにアイツがいた。
Aちゃんの想い人が…
きっと、向こうも俺たちのことに気付いたはず…
目が合った瞬間、目線を逸らされたから
遠くてハッキリとは見えなかったけど、顔を歪ませてたんだろうな〜
少し性格悪いかもしれないけど、振られた俺の痛みを少しでも感じればいい！
それでAちゃんを幸せにしろよな！
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作者名：夜桜 | 作成日時：2020年4月3日 23時
