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｢研二さん、ここです。来たかった場所｣
萩｢え、でもここって…Aちゃんと初めて会ったあのマンションだよね？｣
そう、私が返事をする場所に選んだのは研二さんと初めて会ったマンション。
そして、本来の研二さんが亡くなるはずだった場所
ここにあの時居なければ、私達は話すこともなかった大事な場所だから…
萩｢本当に今日の最後がここで良かったの？
運良く助かっただけで、死んでたかもしれない場所なんだよ？｣
｢それでもいいんです。だってここは、初めて研二さんと会った場所ですから。
伝える時はここにしようって考えてたんです｣
萩｢そっか！…なら、改めて俺から伝えても良い？
俺はAちゃんのこと、好きだよ。
返事、聞いてもいい？｣
｢はい…私も研二さんのこと、好きです。
でも、私の好きと研二さんの好きは違うから…
研二さんの想いには答えられません…ごめんなさい…｣
萩｢ううん。ハッキリと振ってくれてありがとね、Aちゃん。
あ、でも、直ぐに諦めが着くわけじゃないから、ちゃんと諦めが着くまでは好きでいるの許してね｣
｢研二さんがそれでいいのなら…
研二さん、自分勝手なことは分かってます。
それでも！これからも仲良くしてくれますか…？｣
萩｢勿論だよ。逆に急に距離取られても悲しいからね！？それに、好きな人のそばにいられるのって幸せだもん！｣
｢そう、ですか…良かったぁ｣
萩｢なに？俺が離れていくと思ったの？｣
｢そうなっても仕方が無いかな、と思ってたんですよ…？｣
萩｢そんなことあるわけないでしょ？そんな軽い気持ちで好きって言ったわけじゃないよ｣
｢そう言って貰えて嬉しいです｣
萩｢あー…その、嫌なら断ってくれていいんだけどね？
区切りみたいなのをつけるためにさ、その、抱きしめてもいい…かな？｣
｢その、恥ずかしいですけど…それで少しでも研二さんの気持ちに区切りが着くなら…｣
萩｢うん、多少は報われるかな〜
俺が言うのもなんだけどさ、あんまり色んな人に許しちゃダメだからね？｣
そう少し怒られながら、ふわっと抱き締められた。
背中に手が回されたかと思うと、目の前が暗くなり研二さんの香りに包まれる。
研二さんからする大人な香りに恥ずかしさが増した。
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作者名：夜桜 | 作成日時：2020年4月3日 23時
