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260. ページ13

NOside



組織との最終対決から一週間経った。
その間、時間が許す限り皆、Aのそばで目を覚ますのを待っていた。

その中でもやはり一番そばに居たのは松田だった。

一日も経っていない中、酷くやつれていたのに加え、もう一週間もたったのだ。
何時倒れてもおかしくないような様子の松田を、皆心配するがAの傍を離れようとしなかった。









萩「陣平ちゃん、いい加減ちゃんと寝たら?陣平ちゃんまで倒れたらどうすんの」


松「別に俺のことはどうでもいいんだよ…Aさえ起きてくれれば…」


降「Aがそんなになってまで傍にいて、喜ぶと思うのか?喜ぶと思うのならそのまま倒れてしまえばいい。」


諸「それに、最近まともにご飯食べてないでしょ?本当に倒れるよ」


風「そんな状態の松田さんを、Aの傍にいさせる訳にはいきません。
ご飯を食べて、しっかり寝てください。」


松「でも、俺は…」









松田が喋り出そうとした瞬間、眠っているはずのAの指先が動いたように見えた。

そのことに気付いた一同は、一斉にAに呼びかけた。


すると、再び少しだが指先が動く。
半分に別れ、両手をそれぞれ手が重なりながらも握る。

その手に応えるかのように、軽く握り返され顔を覗くと薄らと目が開かれる。

目覚めたことで皆口々に名前を呼び、良かったと声を漏らした。






「…み、んな…た、だ、いま…」






その言葉と一緒にゆっくりと笑みを浮かべたAを見て、皆目元に涙をためながらも笑顔を浮かべ、同じ言葉を返した。





「「「「「おかえり、A/ちゃん」」」」」





皆が落ち着くと、風見はAが起きたことを担当医に伝えに向かい、起きたばかりで喉が乾いているだろうと降谷、諸伏は水を買いに病室を出た。

萩原は、心配していたコナン、赤井にAが起きたことを伝えるために電話をかけに行ってしまった。


この病室の中は、松田とAの二人になった。

二人の間に少し気まずそうな空気が流れる

どちらも口を開かず、ただ病室を出ている者が帰ってくるのを無言で待っていた。



皆が戻ってくると、風見が呼んできた医師はある程度傷が癒えた後、リハビリを少ししてからの退院だろうと告げ病室を去って行った。

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作者名:夜桜 | 作成日時:2020年4月3日 23時

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