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「あの、冨岡先生…?何かありましたか…」
冨「いや、(まさか女子がお弁当に持ってきたのが)鮭大根(だとは思わなかった)。」
「鮭大根…?あぁ、可笑しいですよね。」
冨「いや、(鮭大根は美味いからな。)良いと思うぞ」
「そう、ですか。あの、良かったら食べますか…?気にしてるみたいですし…」
冨「!いいのか?」
「先生が良ければですけど…そんなに食べきれないので」
冨「そうか。」
短く返事をし、差し出した容器から大根をとる先生。
これで悪い反応だったら嫌、だな…
大根を口にした瞬間、先生の顔が少し綻んで周りが明るくなった気がした。
何故か炭治郎達と同じで懐かしい気持ちに陥る
「あの、好きなんですか?鮭大根」
冨「あぁ…好きだ」
「良かったら残りも食べますか?」
冨「!良いのか?」
「はい」
冨「すまない(有難く頂く)。」
「いえ、食べて頂ける方が助かるので…」
それに、先生が嬉しそうに食べているのを見ると懐かしく感じるし、何かを思い出すような感じがする。
その何かを思い出したら欠けているものも埋まるんだろうか
冨「天野、(美味かった。容器は洗って)返す。」
「あ、食べ終わりましたか。容器貰いますね」
冨「?(容器は洗って)返す」
「え…?あの、容器…」
冨「洗って返すと言っているだろう」
「え…あ、はい…」
返すとしか言われてないと思うけど、まぁいいか。
「あの、授業あるので失礼します。」
冨「あぁ。遅れないようにしろ」
「はい。…あの、またココで食べてもいいですか」
冨「…(別に俺の場所ではないし、人と食べるのも悪くなかった。)だから、好きにしろ」
「えっと、ありがとうございます…?」
何がだからかは知らないが、お許しが出たから明日からもここに食べに来よう。
冨岡先生は静かで、なんだか懐かしい気持ちになれて落ち着く。
教室に戻ったらどこに居たのか聞かれそうな気がするけど、そのまま話していいものか分からなくて困る。
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作者名:夜桜 | 作成日時:2020年3月12日 2時