第四話 ページ6
その男が現れると共に膝をつき頭を下げる人間達、その中でAだけはただ無表情のまま立っていた。
その行動に苛立ちを覚える柱達だが、それよりも御館様への敬意が勝るため、誰一人として口を開くものは居なかった。
「よく来てくれたね、私の剣士達。今日はとても心地良い日だ、空は青く澄み渡っているのかな？」
「お館様におかれましても御壮健で何よりです、益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」
「有難う、天元。さて、今日此処にみんなを呼び出したのはわかっていると思うけど、そこにいるお嬢さんについてだよ。昨日のことについて、炭治郎…聞かせてくれるかな？」
「は、はい！」
挨拶を交わした後、告げられた言葉にAは視線を炭治郎へと移した。
自身が眠っていたあいだに何があったのか、何故ここに呼ばれたのか、それを知る事が出来るのだと。
「昨日、任務の帰りに蝶屋敷へと向かっている最中、彼女が倒れているのを見つけました。
最初は鬼に襲われたのかと思ったんですが、目立った外傷もなく、来ている服も見たことがなかったので、旅の途中で倒れたんだと思いました。
放っておくことも出来なかったので、彼女をつれて蝶屋敷へと向かいました。
ただ、彼女に触れた時に微かに彼女の中から別の人間の匂いがしたんです、鬼とかではなく、全く別の人間の匂い…なんて言ったら良いのか分からないんですが、移った匂いじゃなくて、彼女自身から二人の人間の匂いがしたんです」
「二人の人間の匂い…？」
「はい、初めての感覚でしのぶさんに相談をしたんです。ただ、しのぶさんにもわからないということで、御館様へとご相談しました！」
一通り聞いている中、Aは炭治郎の発言に目を僅かに見開いていた。
その様子に気が付いた不死川が声を出す。
「テメェ、何か身に覚えがありそうだなァ。隠さず全部話やがれェ。…テメェは何もんだァ？」
その問い掛けに対してハッとしたように表情を戻すAは、問い掛けを無視して縁側に立っている男、産屋敷耀哉へと視線を向けた。
「お前、厄介な呪いに掛かっているのね。まるで骨の髄までじわじわと蝕む毒のよう…きっと近々お前の命は燃え尽きるわよ。顔に死相が出ているもの…そうだ、私は今とても楽しくて、気分がいいの。苦しむ前にここで殺してやってもいいのよ？」
楽しげに歪んだ顔でその言葉を告げると同時に、柱達が刀へと手を掛けた。
しかし、それをたった指一本で制したのは産屋敷だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
waiz - ハリポタと鬼滅の小説初めて見させて頂きました！とても気になり更新が待ち遠しいです！ (2020年10月31日 23時) (
レス) id: c8dc595a97 (このIDを非表示/違反報告)
nekonatsu6(プロフ) - ハリーポッターと鬼滅！最高です！続きがめっちゃ気になります！！ (2020年8月7日 13時) (レス) id: d11df75cc6 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - あおいつばめさん» このふたつってあまり組み合わせを見かけないのですが、合うんじゃないかと思って書き始めました！更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: 188c19254d (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - ほたるさん» 今、結末を考えていますが色々な結末が浮かびすぎて、分岐もいいかもしれないと考えております！！更新がまちまちになってしまいますが、どうぞ引き続きお楽しみください！！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: 188c19254d (このIDを非表示/違反報告)
あおいつばめ - うわあ、ハリー・ポッターも鬼滅もどっちも半端なく好きっ！！ (2020年6月6日 8時) (レス) id: f654d8bd28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あずは | 作成日時：2020年5月16日 15時
