第一話 ページ3
__熱い、熱くて痛い。
きっとあの穢れた血にやられたせい。
嗚呼、もう、腹が立つ。
穢れた血ごときが私に歯向かうなんて、許せない。
…て言うか、なんで身体が動かないのよ。__
心中でそう思っていると、ぴくりと自身の瞼が動くのがわかった。
ゆっくりと目を開けると目に入る見知らぬ天井。
__ホグワーツじゃ、ない…?__
だんだんと鮮明になる視界を動かし辺りを見渡すと、此処が病室だということに気が付いた。
不意に視線を自身の身体へと向けると今まで来ていた制服ではなく、見慣れない白い服を着せられている。
慌てて起き上がり身体を確認すると、自身の持っていた杖や魔法道具が何一つとなかった。
『くそ、私の荷物は何処なのよ!!嗚呼、もうっ…腹が立つ、何も思い通りにいかない!!嗚呼、はやく、はやく早くはやくっ、我が君の元に戻らないとっ』
漆黒の髪を掻き乱しながら半ば叫ぶ様に独りごちていると、入口の方で気配がした事に気が付くと。
『っ、…そこに居るのは誰?』
ぴたり、動きを止めて扉を見るとそこに立っていたのは一人の少年と小柄な女性だった。
少年は驚いた顔を、女性はにこやかな笑みを浮かべていた。
『マグル…?嘘でしょ、私マグルに助けられたって言うの?信じられない、嘘だ嘘だ嘘だ、嗚呼、ほんっと信じられない!!』
親指の爪を噛みながらぶつぶつと呟く彼女を不思議そうに見ている二人は、小さな声で問いかけた。
「すみません、お嬢さん。貴女は、私達の言葉が分かりますか?」
その問いかけに対して顔を上げた女、Aは不快そうな表情を浮かべる。
『…何、なんて言ったの今。嗚呼もう、言語が違うっていうの?面倒臭いわね、これだと何もわかりゃしないじゃない。…ちょっと、そこのマグル。私の杖と服、あと荷物全部返しなさいよ』
苛立ちを滲ませながらそう呟くと、Aは問いかけをしたしのぶへと視線を向け、身振りで自身の持っていたものを返すように伝えた。
「うーん、何を言っているのかさっぱり分かりませんね。ですが、おおかた荷物を探しているんですよね?良いですよ、ご用意します」
にこやかな表情を変えずにそう告げるしのぶを、Aは怪訝な表情を浮かべるも、部屋を出ていく様子に大人しく荷物を返すのだろうと納得したように視線を窓の外へと向ける。
「あの、身体はもうどこも痛くありませんか?」
外の様子を眺めているAに対して、次に言葉を発したのは炭治郎だった。
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waiz - ハリポタと鬼滅の小説初めて見させて頂きました!とても気になり更新が待ち遠しいです! (2020年10月31日 23時) (レス) id: c8dc595a97 (このIDを非表示/違反報告)
nekonatsu6(プロフ) - ハリーポッターと鬼滅!最高です!続きがめっちゃ気になります!! (2020年8月7日 13時) (レス) id: d11df75cc6 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - あおいつばめさん» このふたつってあまり組み合わせを見かけないのですが、合うんじゃないかと思って書き始めました!更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2020年6月8日 9時) (レス) id: 188c19254d (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - ほたるさん» 今、結末を考えていますが色々な結末が浮かびすぎて、分岐もいいかもしれないと考えております!!更新がまちまちになってしまいますが、どうぞ引き続きお楽しみください!! (2020年6月8日 9時) (レス) id: 188c19254d (このIDを非表示/違反報告)
あおいつばめ - うわあ、ハリー・ポッターも鬼滅もどっちも半端なく好きっ!! (2020年6月6日 8時) (レス) id: f654d8bd28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あずは | 作成日時:2020年5月16日 15時