�〔気い覆虧磴┐侘匹い任靴隋�【明石国行】

38*好みのタイプは？ ページ39

鶴丸国永 side


会も進めば離脱者も増えていく。

薬研は一期との約束の時間だからと、脇差や打刀の奴等も広間を出ていき、残った奴等は主を中心に飲み直す。



｢ねーねー！主はこの中で誰がタイプ？｣


ニコニコと芋焼酎を飲んでいた安定が口を開く。
あまり酒が強くない加州は既にダウンし主の肩に持たれるようにうたた寝に興じている。



｢そんなのかっこよくて強ぉい俺に決まっているだろ。
な、主っ！｣


『ん？なんの話？』



主も酔いが早いのか船を漕ぎだす手前だったようだ。
和泉守は親切丁寧に説明し直せば、納得したように主が居るものを見回す。



｢兼さんはかっこいいよねー、ほら、堀川くんが迎えに来たよ。
..伽羅..みたいな子も、あとー獅子王も見守りたくなる。｣


伽羅坊はそっぽを向きつつも頬を染めている。

それに獅子王も嬉しそうな顔を見せた。


｢本当か！照れるぜ〜｣


｢主は年下が好きなんじゃないかい？｣


『あ〜…そうかも。
元彼も年下の方が多かったかも。』


次郎と乾杯しながら主は笑う。
確かに３人は年下風な反抗期的な雰囲気を纏っているが。


ここで俺の名前が出なかったのはそれはそれでもの悲しい。

…隣の一期も近侍を外された事と相まって不機嫌極まりない。




｢主よ。じじいは嫌か？｣

『三日月さんは美しすぎて眩しい…
高級食材。』

｢あなやー。｣


可笑しそうに笑う三日月に主もふわりと笑う。
驚いた顔も格別だが笑った顔はそれにも増して好きだと思ってしまう。


悔しいじゃないか、神と名の付く俺が人間の女一人にこうも感情を振り回されて。


顔をあげれば主と目が合う。
いつものビシッとしたこと審神者の顔ではなく、酒に酔う年頃の瞳。



『鶴丸も黙ってれば美少年、美青年？よね。』


不意の誉め言葉は真っ白の顔を熱を持つ。
そうなればすぐに赤くなるのが嫌だな…



｢そりゃどーも。｣


顔を反らせば主は笑う。
やっぱり悔しいぜ。

自分に向けられた言葉はそこで終わり。


主の隣に座る明石の言葉で視線はそちらに向く。



｢修業の甲斐有ったんとちゃいます？
主はんから霊力、流れてるで。｣

『..ほんと？』

｢嘘なんて付きません。｣



嫌だな…
顔を微かに赤らめた主は俺の知らない人みたいで。


取られたくない。

出来るなら俺だけのものになればいいのにな。



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