34*愛しい子達からのお誘い ページ35
審神者 side
名前は教えてはいけない。
これは審神者になった日に担当者から再三話された事。
名前ってさ、愛着あるでしょ?
それがここに来て半年、役職の主ってしか呼ばれなくなった。
自分が誰なのか忘れてしまいそうで怖い。
明石国行に教えたのに深い意味は無い。
彼は私には興味がないから、知ったところで隠すのもめんどくさがりそう。
隠されるなら執着されたヒトより、興味無さげなヒトの方がその後も気楽だ。
*
転送ゲートを潜り抜ければ本丸へと辿り着ける。
手を繋ぐ蛍丸と愛染が愉しそうにしてくれて、連れていって良かったと思えた。
「主おかえり〜。
今夜さ久しぶりに飲まない?明石さんの歓迎会も兼ねて。」
「最近全然飲みに来ないから清光寂しがってたんだよ。」
「ちょっ、安定余計なこと言わないで!」
玄関にはあちらも丁度帰宅したのか買い物の荷物を抱えた清光と安定の姿。
刀剣男士は男だからか酒好きが多く、各部屋、刀派の宴会は日常茶飯事。
最初の頃は付き合っていたけど、連日だと太る浮腫むで自重していたし、太刀が増えてからは特に参加しなくなっていた。
隣を見れば髪を摘まみながらこちらを見ている明石。
「歓迎会ですか、有り難いですわ〜。
主はんは?来てくれへんの?」
歓迎会なら脇差や打刀、大太刀もいる。
あ、我が本丸は見た目が子供の姿をしているものには飲ませては居ません。
ヘラヘラとした話し方はからかわれている気がする。
…しかし歓迎会だ…
この本丸に新しいヒトが来たのはひさしぶりのこと。
『21時くらいからだよね?
いいよ、参加する。』
「やったー!
主好きそうなお酒、次郎ちゃんが用意してたから伝えてくるね。」
こんなに喜んでくれるとは。
やっぱり交流もあるし、たまには参加しなきゃダメかも。
「俺達もお酒のみたい..」
今まで黙っていた蛍丸が頬を膨らまして明石を蹴っていた。
彼らは見た目こそ子供だが年齢で言えば500は越えている。
『年齢の基準が分からないけど…お酒は保護者に聞いてみて?』
完璧なる言い逃げだ。
背中に「いけずやん!」なんて聞こえたけど振り向かずに自分の部屋へと逃げた。
平然を装っていたけど、流石に修行のあとで身体は疲れている。
ソファーに身を投げ暫しの休眠に入ろう。
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輝(プロフ) - 10話で出て来たサプリって霊力を高める為じゃなくて本当は抑える為のサプリだったりします?そうだったら夜明けに放つ霊力はサプリの効果が切れたから、だとすると少しだけ辻褄合いますよね~ (2018年7月26日 11時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
からーぺん - まさかのラブ〇ン要兄さんが出るとわ... (2017年3月11日 4時) (レス) id: 585cb47399 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - きなこもちさん» 三男様です!ゲスト様は立派な方なのでつい出してしまいました。応援ありがとうございます。更新がんばりますね(*^^*) (2016年9月15日 15時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - いおふうさん» コメントありがとうございます。ブラコンが大好きでつい出してしまいました。うらつく始めた理由がブラコンの小説を書きたくて始めたので..(^^)更新がんばります! (2016年9月15日 15時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - やはり三男でしたか…!!ゲスト出演いいですね!更新頑張ってください!応援しています(*^^*) (2016年9月15日 14時) (レス) id: f6b022665a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2016年9月6日 18時