検索窓
今日:2 hit、昨日:18 hit、合計:681,390 hit

03*蛇は静かに近付き獲物を一飲みに。 ページ4

「お疲れさま、主。
髭切さんも行くよ。」


「あぁ、引っ張らないで?」


清光の背中に有り難うと思う。
二人きりにされたら、どこを触られるか分かったものではない。



執務室は残ったのは私と安心安全の膝丸。


目が合えば少し赤くなる顔は女慣れしていない事を物語っている。
失礼かもしれないけど正直可愛いとすら思ってしまうし、べたべた触る者より好感に思えてしまう。



「主..いつも兄者がすまない。」


『謝らないで。
膝丸はいつも私の事考えて動いてくれるじゃない。』



「..いや、俺は..
そうだ、遠征先で見掛けて主に似合いそうな物があった。
受け取ってくれぬか?」



布に包まれている物を差し出されるから、そっと手に取り布をめくれば椿の花が描かれた扇子。
可愛らしくも豪華な物で、受け取って良いのか躊躇ってしまう。




「俺が持っていても意味がない。
使わなくても良いから、受け取ってくれぬか?」


『…使うよ。
ありがとう、膝丸。』



扇子を帯に差せば嬉しそうに笑う顔が目にはいった。
普通に生きていた私が扇子か..


不思議な気分になりながらそれを撫でる。




「主入るよ。
今夜は国俊、夜戦に行く?」


ぴよこっと顔を出したのは蛍丸。
手招きすればトコトコと隣に来て座っている。



「俺は兄者の元に行く。」






「…主は物で釣れる安い女じゃない。」



膝丸が姿勢よく部屋を出ていく背中に蛍丸は呟く。
意外にも低い声を出されて、背筋が冷えるのを感じた。


頷けば、満足したように私の膝を枕にコロコロと愛らしい顔を見せてくれたから、その柔らかな髪を撫でた。



.

04*保護者、望む者→←02*穏やかに強引に



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (245 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
654人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 10話で出て来たサプリって霊力を高める為じゃなくて本当は抑える為のサプリだったりします?そうだったら夜明けに放つ霊力はサプリの効果が切れたから、だとすると少しだけ辻褄合いますよね~ (2018年7月26日 11時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
からーぺん - まさかのラブ〇ン要兄さんが出るとわ... (2017年3月11日 4時) (レス) id: 585cb47399 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - きなこもちさん» 三男様です!ゲスト様は立派な方なのでつい出してしまいました。応援ありがとうございます。更新がんばりますね(*^^*) (2016年9月15日 15時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - いおふうさん» コメントありがとうございます。ブラコンが大好きでつい出してしまいました。うらつく始めた理由がブラコンの小説を書きたくて始めたので..(^^)更新がんばります! (2016年9月15日 15時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - やはり三男でしたか…!!ゲスト出演いいですね!更新頑張ってください!応援しています(*^^*) (2016年9月15日 14時) (レス) id: f6b022665a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:モカ | 作成日時:2016年9月6日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。