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28*壁にドンされ、焦ります。 ページ29

『泣きそうな顔なんてしてない。…してないから。』


源氏の二人が居なくなった事でこの場は来派と私に入れ替わる。

起きたばかりの空腹な愛染が明石を急かすも彼はじっと私を見て、目を反らしてはくれない。



「二人は先に行ってて。
すぐ行く。」


「おーわかった!すぐ来いよな。
行くぜ、蛍。」




二人が離れていくのを確認してから明石はゆっくりと息を吐く。
それだけなら未だしも、何故か一歩、また一歩と近付かれるから恐怖を覚え私も後ろへと下がる。



遂に背には壁しかなくなり、顔のわきに手を突かれ壁ドンと言う状態が出来上がっている。




『…なに?』


「髭切はんとは何してたん?
なんで泣きそうな顔するくせに、逃げるなり突っ返すなり出来ひんの?」



霊力のことが無ければ逃げるなり、突き飛ばすなりする...。



ここに来たばかりの明石には触れ合いの話を自分からはしたくない。
こんな脆弱な主だと思われるのがイヤで…



いすれこのヒトにはバレる気がする。
でも隠すのは無駄なプライドのせい。




『気を付ける、から。
二人が待っているので行ってください。
私も今日は行くところがありますので…』


「敬語、なってますよ?
..自分が怖いですか?」



垂れた瞳に情けない顔の私が写る。
壁に追いやられているせいで距離もかなり近い。

ここまで迫られても思うことは
この瞳は



『……怖くない。』

「嘘やん?」

『う、嘘じゃないから…!』

「ほんまに?」

『本当よ。』


「そら、良かった。
主はんこれからどこ行きますの?
二人にどっか連れてけ言われてもうて困ってたんや。」



顔の脇にあった腕は解かれ、明石は2歩下がるから距離が広まった。

そこに安心感とほんの少しの寂しさを感じるも、そんな自分に首を横に振った。



『滝…』


「滝?あーマイナスイオン?でしたっけ。主はんそう言うん好きなんやね。」


『滝に打たれに…
滝修行に行くの。』




ドン引いた明石の顔が印象的だった。


そりゃ引くさ。
本丸でも滝修行に付き合ってくれるのは山さんや、付き添ってくれるのは数珠丸さんか江雪くらいだから。



.

29*失敗してもうたわ...→←27*下心。恋の下にも心あり。



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(プロフ) - 10話で出て来たサプリって霊力を高める為じゃなくて本当は抑える為のサプリだったりします?そうだったら夜明けに放つ霊力はサプリの効果が切れたから、だとすると少しだけ辻褄合いますよね~ (2018年7月26日 11時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
からーぺん - まさかのラブ〇ン要兄さんが出るとわ... (2017年3月11日 4時) (レス) id: 585cb47399 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - きなこもちさん» 三男様です!ゲスト様は立派な方なのでつい出してしまいました。応援ありがとうございます。更新がんばりますね(*^^*) (2016年9月15日 15時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - いおふうさん» コメントありがとうございます。ブラコンが大好きでつい出してしまいました。うらつく始めた理由がブラコンの小説を書きたくて始めたので..(^^)更新がんばります! (2016年9月15日 15時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - やはり三男でしたか…!!ゲスト出演いいですね!更新頑張ってください!応援しています(*^^*) (2016年9月15日 14時) (レス) id: f6b022665a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モカ | 作成日時:2016年9月6日 18時

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