19*虫酸が走る ページ20
一期一振 side
主殿をお慕いしております。
その柔らかな笑みも、優しい声も
微かながらも私達を思いやる霊力も。
全てが私の物に成るとは思っておりません。
…それでも貴方様と結ばれる未来を想像するのです。
*
目の前には愛染殿、蛍丸殿の保護者である明石国行。
彼がなかなかドロップしないから弟たちは毎夜毎夜、怪我をして帰ってくる。
保護者と言うくせにやる気がないと言う。
それでは下の者達に保護者として、兄としての示しがつかない。
況してや服の着こなしもだらしのない。
あまつさえ主殿に興味があると口する。
「..主殿はとてもお優しい方です。
その方を困らせることだけは止めて頂きたい。
貴方はどこまで盗み聞きをしていらしたのですか?」
霊力の話しは聞かれたのか..
これ以上主殿に触れる者が増えるなど考えたくはない。
私が昨日の近侍であれば政府との話しも、髭切殿のように話さず、主殿にも体面の為にと口止め出来たものを。
「聞かれてまずい話しでもしていたのですか?
自分来たときにはもう終盤やって、えろうくさいこと言ってるなぁ思っただけや。」
「..いいえ。お気になさらずに。
主殿がお待ちです。戻りましょう。」
聞かれてはいない、か..
随分と胡散臭いな男が来たものだ。
*
特に話すこともなく主殿の執務室に戻れば更に厄介な人が嬉しそうに主殿の側にいる。
『一期、明石も戻りましたね。
ほら、三日月さん離れてください。』
「俺のことは気にするな。
この膝を枕に昼寝でもしていよう。」
『仕事中です。私は介護するために審神者になったのではないですよ。』
「はっはっは、介護か。
これは一本取られた。うむ、暇なじじは短刀達と遊んでこよう。」
主殿から離れれば頭を数回撫でてゆったりと執務室を出ていった。
三日月殿は弟達を非常に可愛がってくれる故、粗相に扱う事はできない。
「空いたんなら自分が主はんの膝で寝てもいいですか?」
「駄目に決まっているでしょう!」
私としたことが主殿の前だと言うのに声を荒げてしまった。
キョトンとした目は一瞬で主殿は口元を押さえて笑っておられる。
『一期に案内を頼んで良かったわ。
随分と仲良くなれましたね。』
仲良くなどなってはいない。
貴女の笑顔が見られたのならば、それでよしとしましょうか。
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輝(プロフ) - 10話で出て来たサプリって霊力を高める為じゃなくて本当は抑える為のサプリだったりします?そうだったら夜明けに放つ霊力はサプリの効果が切れたから、だとすると少しだけ辻褄合いますよね~ (2018年7月26日 11時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
からーぺん - まさかのラブ〇ン要兄さんが出るとわ... (2017年3月11日 4時) (レス) id: 585cb47399 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - きなこもちさん» 三男様です!ゲスト様は立派な方なのでつい出してしまいました。応援ありがとうございます。更新がんばりますね(*^^*) (2016年9月15日 15時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - いおふうさん» コメントありがとうございます。ブラコンが大好きでつい出してしまいました。うらつく始めた理由がブラコンの小説を書きたくて始めたので..(^^)更新がんばります! (2016年9月15日 15時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - やはり三男でしたか…!!ゲスト出演いいですね!更新頑張ってください!応援しています(*^^*) (2016年9月15日 14時) (レス) id: f6b022665a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2016年9月6日 18時