�〔気い覆虧磴┐侘匹い任靴隋�【明石国行】

10*通達と緩いヒト ページ11

審神者 side



蛍丸が眠ったのを見届けてから、ソファーに横になり担当者が渡した紙を眺めた。
私の重みで沈むソファーに体が程よく包まれる。



それにしても霊力って…
私は人間で霊感なんてのも無くて...


ならなぜ私が審神者に選ばれたのか、皆目検討も付かない。




◎霊力の少なさを補う為に、刀剣男士と接触し神気を分け与えられし。



よく抱き付かれたり、短刀や蛍丸とも手を繋いだりもする。
しかし毎月の定期検診では霊力の低さを指摘されるだけ。


触れただけで神気が移るのか...


どこかの美容師をしていた審神者は触れただけで刀剣男士に力を分け与え、怪我さえも触れただけで治す事が出来るらしい。


正直に言えばその力が羨ましい。


触れただけで移る..ん〜、男とベタベタするのはどうかと思う。
けど、その力をまた他の刀剣の為に使えるなら。



自分の心などお構いなしにするべきか。
私は審神者だから..刀剣男士の為の存在だから。




◎支給されている薬は必ず服用するように。




視線の先には大量の錠剤が瓶に詰められている。
担当者曰く霊力をあげるサプリメントらしい。



起床後すぐ、昼食後、夕食後の日に三回



気休めにしかならないけど、政府から支給されているのだからきちんと飲まなければいけない。



*



彼等の帰りを待ちながら書類の整理をしていれば、転送ゲートの開く音が耳に届いた。


京に出ていた短刀達が帰ってきたのだ。


眠る蛍丸を起こさぬよう、そっと部屋を出る。

今宵は随分と時間が掛かっていたことを思えば、やはり気になるのは彼等の怪我。




玄関に行けば血や泥で顔や服を濡らす彼等。

しかし表情はいつもの落ち込みとは違い晴れやかだ。



そして彼等の後ろに控えていたのは細身のパンツに、シャツの裾、かけ違えられたボタンにメガネ。



その背には愛染の姿も。



｢どうも、すいまっせん。明石国行言います。
どうぞ、よろしゅう。お手柔らかにな？｣



私のイメージとかけ離れすぎた緩い声に驚くも、挨拶も早々に怪我をした愛染の手入れを急いだ。


.



※どこかの美容師さんはこちらです↓

美容師さん審神者始めました。
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/toulove-m/?plid=mocha

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