義兄は私を嫌っている。

第6話。 ページ7

はぁ…疲れた。

いつも通り学校が終わり、重い足取りで家に向かう。

いつもの放課後。

いつもの毎日。

こうやって私の人生が終わるんだろうなと、最近はよくそんなことばかりを考えている。

ガチャッ

恐る恐る、玄関を開けてみると家はしーんと静まりかえっていて誰もいないようだった。

私は靴を脱いでお茶の飲むためにキッチンに向かう。

「おかえり。」

リビングのドアを開けるとテレビを観ていたお父さんが顔を上げずにそう言った。

「ただいま。珍しいね、今日はもう終わり？」

「いや、これからまた用があるから出かけるよ」

「そっか…大変だね」

私はそう短く告げてお茶を飲み、直ぐに自分の部屋に戻った。





「ねぇ、俺の友達がさ、あんたの事可愛いって言ってんだけど」

一番上の兄、ミユキお兄ちゃんがそう言って私の部屋に入ってきた時は夜の11時を回っていた。

私、あれから結構寝ちゃってたんだ…

私は寝ぼけ眼で時計を確認してミユキお兄ちゃんに視線を移した。

「へぇ、物好きもいるもんだね」

その後ろから、今帰ってきたのであろうシンお兄ちゃんも顔を出した。

「制服、着たまんまじゃん。」

ミユキお兄ちゃんにそう言われ私はしわくちゃにってしまった制服を確認する。

「あ、アイロンかけてくる…」

私はとりあえず、兄達から逃げるための口実にそう言ってベットから起き上がる。

「それなら脱がしてあげないとな」

でも、一度起こした体はミユキお兄ちゃんの手によって直ぐにベットに沈んだ。

「じ、自分で脱げるから…っ」

「じゃあ脱げよ、見ててやるから」

シンお兄ちゃんはそう言うとベットに座って笑いながら私を見た。

「ほら、早く」

ミユキお兄ちゃんの手が急かすように私の制服のボタンを１つ外した。

「いやだ…」

「は？お前、いつから拒否権もったの？」

シンお兄ちゃんの口調が荒々しくなる。

多分、次、抵抗したら確実に殴られる。

私は長年の経験でそれがわかるようになってしまった。

本来は愛を持ってするその行為も兄達の手にかかれば暴力に変わる。

それがいやで抵抗しても無理やりされるし、それに暴行も加わる。

どっちがマシかなんて誰にでもわかる。



あとで誰かは言うんだろう…


抵抗できただろって。



できるわけない。


できるわけないんだよ。


恐怖で、今まで積み重ねてきた何の役にも立たない経験で…



私の頭から抵抗の文字は少しずつ薄れてきていた。

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