☆ ページ7
『え...こ、ころ...?』
「うんっ!そうだよ!殺してるんだっ!」
『え、あ。そうなんだ...』
とにかくこれはヤバい奴だ絶対。
まぁ接触できたしあとどうでもいいや、私と関わらないでくれればそれでいい。
所々黄緑色になっている赤い頭巾を横目に離れようとすると
「どこに行くのオオカミさんっ!」
と話しかけられた。
『え、どこって_うっ...』
私が振り返るとその狂人はナイフで殺したであろう子鳥の死骸を手に持ちこちらに見せてくる。
「狼って肉食なんでしょ?」
そう言うと赤ずきんは立ち上がりこちらへジリジリ寄ってくる。
私より高い背で死骸を持って近づいてくる様は狂気そのもの。
「赤ずきんまだ食べられたくないから...この小鳥さんあげるから、これ食べて見逃して...な?」
私は直感的に不味いと感じ逃げようと走り出す。
すると狂気的な笑い声と共に「そんなんじゃすぐ追いつかれるよぉ〜」という声が聞こえた。
気にしちゃいけない。だって私は狼なんだから逃げ足も早いはず...!
あれから無我夢中で走り続け、着いたのは川。
要するに行き止まりだ。
「あ〜あ、追いつかれちゃったぜぇ?オオカミさん。」
もう赤ずきんという物を放棄したのか彼の声は低い男性の声へと変わっていた。
「新鮮やったのになぁ...」
赤ずきんは持っているカゴの網目から滲んで零れている赤ワインで草を赤く染めた。
『わたしなんもしてないじゃん...!?』
心の底からの叫びだった。
本当にやましい気持ちなくゲームを開いただけでなんで私が悪役になって今殺されそうになってるのか。
「...連帯責任?」
赤ずきんはそう言うとナイフを取りだし、それを空中で一回転させるとこちらに飛びかかってくる。
私は少しでも生きる確率をあげるため地面に丸まった。
すると赤ずきんの悪い笑い声が聞こえ、私の背中に重いものがのしかかる。
「なぁ。それって降参ってこと?」
私の背中を何かでなぞる赤ずきん。
赤ずきんが持っているナイフがいつ私を刺すのか怖くてちょっと皮膚に何かが触れただけでビクビクと体が跳ねる。
『.........い゛...っ...』
私が何も答えず震えているとちぎるつもりなんじゃないかと思うくらいの強さで耳がかじられた。
「しゃーないなぁ。降伏したサービスで耳一つだけ削ぎ落とすので許したるわ。」
『え...?な...なに言って...?』
「4つもあるんやし1つくらい貰ってもええやろ?」
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華乃 - knさんが人魚姫、、、原作みたいに声奪われた場合のほうが王子様と上手くいくのでは??(黙ってたら絶世の美女??だし)rbrさんさらっとストーカーしてて恐怖を感じた(;゚Д゚)曼荼羅comさんの話はいつも面白くて読んでて楽しいです!更新ありがとうこざいます!! (2023年2月4日 19時) (レス) id: 86218e5349 (このIDを非表示/違反報告)
曼荼羅com(プロフ) - 華乃さん» コメントありがとうございます。姫という語感に似合わずサイコさんですが...utは個人的に性格似てるなと思う子にしてますので楽しみにしててください。 (2023年2月3日 16時) (レス) id: f1f738d729 (このIDを非表示/違反報告)
華乃 - あーrbrさん親指姫は可愛すぎるんじゃ〜!!ウーツ姫(ut)もおる、、、めっちゃ出てくるの楽しみ。更新ありがとうございます!これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2023年2月2日 21時) (レス) id: 86218e5349 (このIDを非表示/違反報告)
曼荼羅com(プロフ) - 天天さん» コメントありがとうございます。おっとここにもヤンデレさんが...ガーターにならないように気をつけます! (2023年2月2日 8時) (レス) id: f1f738d729 (このIDを非表示/違反報告)
曼荼羅com(プロフ) - 何をするにも「ら」を言ってしまう人ですさん» コメントありがとうございます。サイコさん...?(すいません)なんの報告かわからんけど報告ありがとうございます!頑張れ〜⚑︎ (2023年2月2日 8時) (レス) id: f1f738d729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曼荼羅com | 作成日時:2023年1月29日 6時