お昼 ページ6
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1〜4時間の間伊野尾くんのお世話をしてたわけだけど、とっても覚えが早い。
時々ドジなんだけどね、とにかく頭がいいよ。
それはもう、1日一緒にいなくてもわかるくらい。
さて、今はお昼の時間になったのでお弁当の準備をしています!
お昼は、いつも知念と山田と食べるのが日課。
二人はいつもどおり俺の机付近に集まってきた。
周りの席を借りて机をくっつけながら山田が伊野尾くんの方を見た。
「伊野尾慧くん、だっけ?よろしくね、俺、山田涼介。こっちが知念侑李」
ついでに知念の紹介をしたみたいだけど、知念は人見知りだから、お行儀よくペコリと頭を下げた。
俺は皆で仲良くなろうと思って伊野尾くんの机も半ば強引にくっつけた。
「よし、ご飯食べよう!」
伊野尾くんは混乱してたけどね。
おにぎりを頬張りながら突然山田が言った。
「ねえ伊野尾ちゃん、家ってどっち方面?同じだったら皆で帰ろーよ」
え!? 今、呼び方…。
伊野尾くんも混乱して聞き返した。
「え、今なんて呼んで…」
山田はきょとんとする。
「や、伊野尾ちゃんって意外と可愛いから、伊野尾『ちゃん』。だめ?」
伊野尾くんは首を振りながら慌てたように言った。
「いいです、いいですけど、すみません、こんな、顔で…」
え?顔?
まあ、見てみれば唇はぽてっとした感じで可愛いし、目はよく見えないけど全体的に細くてきれいな体格をしてる。
謝ることはないと思うんだけど…。
「なんで謝るの?いいと思うよ、僕と方向性の違う可愛さが」
おお知念、急に入ってきた。
まあ、知念は知念で小動物的可愛さがあるよね。
自分で言ってるのはあれだけど…。
まあいいや、俺も伊野尾ちゃんって呼ぼう。
あ、いのちゃんのほうが言いやすいか。
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作者名:take a walk | 作成日時:2022年3月24日 15時