9話<貴方side> ページ10
練習を始めてから数時間、上から横から斬鉄剣が全身を打ちのめしていく。
徐々に防ぐことが出来なくなってきた斬鉄剣の柄頭が私の鳩尾に綺麗に入ったところで、ルパンが「飯だぞー」と声を掛けた。
「今日はここまでだ。午後は銃の練習に励むといい」
少しばかり声を出すことが出来ずに腹を押さえて咳き込む。
「げほ、ハァ……ヴぅ……死にそう……」
「真剣なら100回は死んでいたな」
「なっ……!」
目に見える程落ち込んだ私に「初日にしては良い動きであったぞ」と励ましの言葉……と思われるものを掛けて、五ェ門は家に入っていった。
「いってぇ……」
何処かに力を込める度に、全身が軋むように痛い。
動体視力は良い方だと思っていたが、五ェ門の太刀筋はそれ以上に速かった。
だがどうせあれも本気でないのだろう。
自分のあまりの弱さに、今日一番の溜息が出た。
「…………ご飯食べるか」
木刀を杖代わりに立ち上がって家に向かって歩いていくと、ドアのところに腕組みをした次元がもたれかかって立っていた。
「五ェ門に刀教えてもらえる事になったらしいじゃねえか。まァそれは良いとしてだな、お前今日何回銃の練習した」
「おっ……いや、それがですね、昼からやろうかと、思ってまして……」
帽子の下から覗く目に、思わず敬語になってしまう。
ヤバい、練習をサボったこととかズルしたこととか、諸々全体的にバレている気がする。
「あーそうかい。じゃあ昼飯要らねえな。頑張って練習してろ」
「わー!ごめんなさい父さん!ちゃんと練習するから!お昼ご飯は食べさせて!ごめんなさい許して父さぁん!!」
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遊星(プロフ) - 新門アカツキさん» 分かりました。お節介かもしれませんが宜しくお願いします。 (2020年3月25日 17時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
新門アカツキ(プロフ) - ななしさん» ななしさんコメントありがとうございます!忙しかったり筆が進まなかったりと言った事が重なり、更新が遅くなってしまいました。これから更新していこうと思っているので、気を長くして待って頂けると嬉しいです! (2020年3月25日 13時) (レス) id: d9194b6661 (このIDを非表示/違反報告)
新門アカツキ(プロフ) - 遊星さん» 遊星さんコメントありがとうございます!勢いだけで書き始めたので、急に筆が止まってしまい...(笑)これから少しずつ更新していこうと思っていますので、気長に待って頂けると嬉しいです! (2020年3月25日 13時) (レス) id: d9194b6661 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 面白いです!停止ですか.......? (2020年3月23日 1時) (レス) id: 8ef6779e59 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか?素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2020年3月8日 22時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:新門アカツキ | 作者ホームページ:http:/uranai.nosv.org/u.php/hp/yukanovel01/kirakoi
作成日時:2019年12月8日 13時