33＊drop ページ40
「あ。ちょっと待っててくれる？」
私の髪に柔らかく触れていた、先生の手の心地よい重さが、ふわりと離れていった。
みみちゃんごめんね、なんて言いながら、そっと膝の上の白猫を下ろし、先生は立ち上がる。
「実は、プレゼントがあって」
仕事の書類やパソコン、ギターの弦なんかが置いてある机の引き出しを開けて、
大事そうに先生が取り出したのは、しずく形の小さなアクセサリだった。
「…………ネックレス、」
私が呟くと、先生は「そう！」と元気よく頷いて、それを持ってこちらに戻ってきた。
す、と目の前に出されたネックレスを、改めてよく見てみる。
しずくの中心には小さな石が埋め込まれて、きらりと光ってとても綺麗。
「僕の、手作り」
見とれていたら、先生がそう言った。
「…え、」
実はシルバーアクセサリーの制作にハマってるんだよね、なんて、先生は照れ笑いで頭を掻いて。
「…これから、僕が一緒にいてあげられないことも、沢山出てくるだろうし。怖かったり辛いときには、これをお守りにして欲しいなって、」
手の中に渡されて、アクセサリの小さな重さが伝わってきた。
「え、…こんなに綺麗なもの、わたし…なんかに…、」
にゃーん。にゃあ。
私の言葉を、側に来たみみちゃんと、すり寄っていたぽんくんが遮った。
「あはは、2匹からも、飼い主が頑張ってたから貰ってくれって」
"ん〜、みみ、さっきまでちょっと妬いてたのに、物分かりがいいねえ。ぽんもAちゃんのこと気に入ってくれたんだもんね〜"
先生はみみとぽんの頭を愛おしそうに撫でると、甘い甘い声で話しかける。
(…2匹のこと、大好きなんだなあ)
なんだか暖かい気持ちになって、頬を緩める先生をずっと見ていると、
沈黙に気づいた先生も、私の方を見て。
「………"私なんか"、じゃなくて、
ありがとうとか嬉しいとか、要らないとか不恰好だとかさ、…なんか思ったこと、好きなように言っていいんだよ、こういうのは」
「………あ、
ありがとうございます…！」
「あはは、言わせてるみたいになっちゃったけど、……うん、ありがとう、こちらこそ」
そろそろ送っていくよ。
立ち上がった先生が、深緑のスプリングコートを羽織る仕草に、
ほんのちょっと心臓がきゅっとなって、切ないような感じがした。
…恋って、こんな感じ、だったかなあ。
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あきおと(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます…！繋がりました！ちょっとだけ天宮くんにも、夢主の毎日に貢献してもらおうかなと思います！(笑)どっちも読んでくださって嬉しいです、更新頑張ります（＾Ｏ＾） (2017年8月15日 20時) (
レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 繋がったああああああ！やった！どっちも読んでる勢としては嬉しい限りです！とても！いつも歌詞さんのかっこよさにときめいてます（笑）更新頑張ってください！ (2017年8月14日 20時) (レス) id: df5db280b2 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 黒。さん» ありがとうございます…！もうどこまでも夢主を甘やかしていくスタイルなので！！(笑)わたしもこんな先生に出会いたかったです…笑 (2017年8月1日 22時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
黒。 - すごく引き込まれる作品ですね！歌詞さん優しすぎて、夢主ちゃんが羨ましいです…！こんな先生と関係を持ちたいです！(恋愛でもなんでもw) (2017年8月1日 22時) (レス) id: 20fadc7ccf (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - お兄ちゃん大好きさん» お兄ちゃん大好きさんありがとうございます！か、神だなんてそんなことはないですけど、(笑)でもとっても嬉しいです！！よかったらこれからもお願いします(*´-`)更新遅いですが是非！ (2017年7月5日 2時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
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