29＊絶対に ページ34
引きこもっていた私の私服なんて、たかが知れてる。
だけど、
先生に私服姿を見せるのなら、せめて少しでもきちんとしたい。
1着だけ持っていた深い紺色のワンピースに久々に袖を通し、身だしなみを整えた。
…車に戻って控えめに乗り込んだときの、先生の表情は忘れられない。
すうっと切れ長の目を細めて、
「うん、よく似合ってる」
___なんて、惜しげもなくそんな言葉を。
…当たり前に優しくされることには、1年経った今でも慣れない。
＊
1時間半なんて、先生と話していたらあっという間だった。
「あー、ここから目、瞑ってて！！」
目的地が近くなった頃にそう言われ、大人しく目を瞑って下を向く。
それから少し経って、車が停まった。
「よし着いた。いいよ」
目を開けて顔を上げると、
「………わ、」
真っ白な建物に、ドーム型の屋根。
これは、
「…プラネタ、リウム…？」
「そう！Aちゃん、来たことある？」
ドキドキしながら首を横に振る。
「あれ、ちょっと楽しみな顔してるね。よかった、こーゆーの好き？」
「…っ、はい…！」
____久しぶりだ、
こんな風に、素敵な場所へ連れてきてもらったのは。
先生は車から降りると、助手席の方に回って、こちらのドアを開けてくれた。
「平日だから人は少ない、とは思う。でもプラネタリウムだから、そこそこの人数は居るよ。連れて来といてだけど…そのあたりは、大丈夫？」
「……だ、大丈夫です、…たぶん」
曖昧に返事をしたら、先生は申し訳なさそうに苦笑して。
____それから、助手席に座っている私に、
すっと左の手のひらを差し出した。
「……よかったら、僕と手を繋いでくれる？…出来るだけ安心させたい、から」
「………っ、」
「…怖い？」
怖いとも言いにくくて黙っていると、
___先生は、私の目をしっかりと見て。
「Aちゃん、大丈夫。
…僕は絶対に、君を守るよ」
その声には、表情には、
嘘なんてひとつも見当たらなかった。
____おそるおそる、自分の右手を先生の手に重ねて、
そのまま少し体重をかけ、助手席から降りる。
先生が私に、柔らかく微笑んだ。
「ありがとう。……行こうか」
___手を引かれて向かうその先には、
きっと1人で見るよりも、
ずっとずっと綺麗な星空が広がっている。
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あきおと(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます…！繋がりました！ちょっとだけ天宮くんにも、夢主の毎日に貢献してもらおうかなと思います！(笑)どっちも読んでくださって嬉しいです、更新頑張ります（＾Ｏ＾） (2017年8月15日 20時) (
レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 繋がったああああああ！やった！どっちも読んでる勢としては嬉しい限りです！とても！いつも歌詞さんのかっこよさにときめいてます（笑）更新頑張ってください！ (2017年8月14日 20時) (レス) id: df5db280b2 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - 黒。さん» ありがとうございます…！もうどこまでも夢主を甘やかしていくスタイルなので！！(笑)わたしもこんな先生に出会いたかったです…笑 (2017年8月1日 22時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
黒。 - すごく引き込まれる作品ですね！歌詞さん優しすぎて、夢主ちゃんが羨ましいです…！こんな先生と関係を持ちたいです！(恋愛でもなんでもw) (2017年8月1日 22時) (レス) id: 20fadc7ccf (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - お兄ちゃん大好きさん» お兄ちゃん大好きさんありがとうございます！か、神だなんてそんなことはないですけど、(笑)でもとっても嬉しいです！！よかったらこれからもお願いします(*´-`)更新遅いですが是非！ (2017年7月5日 2時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
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