歌に愛されて。【伊/東/歌/詞/太/郎】

16＊話したいこと ページ20

「Aちゃん、久しぶり。最近なかなか来られなくてごめんね」



そう言って、久々に相談室に来てくれた先生。




はしやんさんとか、まふさんとか、りぶ先生とは、たまに会って話をしていたけど、



仕事が忙しかったらしい伊東先生とは、車で送ってもらったあの日以来、もう2週間くらい会っていなかった。






久しぶりでも変わらない笑顔に、私も嬉しくなって頬が緩む。




「伊東先生、お久しぶりです。今日は大丈夫だったんですか？」





「…うん、結構、仕事も落ち着いてきたから」





「それなら、良かったです。」




私が微笑んだまま答えると、先生は少し驚いたような顔をして、ソファに座っている私のほうに近づいてきた。





「Aちゃん、会わないうちに顔つき変わった？柔らかくなったね、なんか」




「そうですか…？」




「うん、そっちの方がいいよ」




そういう先生の受け答えだって、なんだかいつもより大人びた雰囲気をしている、気がする。







「あの、先生も……いつもと違いませんか？…何か、ありました？」




不思議に思ってそう尋ねてみたら、







____ 先生は、









"そうかもね、"






そう言って眉を下げて、ちょっと困ったように笑った。









「…あのね。実は今日は、君に話したいことがあって、来たんだけど…」







「よかったら、聞いてくれる？」







その言葉の最後は、

何故かほんの少し震えていて。






私が頷いたのを見て、ありがとう、と優しく言った先生は、





______ いつもの元気な伊東先生とは違って、今にも崩れてしまいそうに見えた。







○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊・○＊


どうやら作者、弱ってるメンズ書くの好きみたいです。(笑)

次回は、伊東先生ふぁいと！な回です。
丁寧に描けるように頑張ってます。

余談ですけれど、伊東先生が女の子じゃなくてはしやんさんをAちゃんの相手に選んだのは、女の子だと学校にAちゃんの噂が回って、めんどくさいことになる可能性があると思ったからなんですよ。(笑)


いやあ、月に憧れて。の方の展開をずっと考えてたんですが…天宮くんがどのシナリオの中でも、なんか思い通りに動いてくれなくて、いつのまにかこっちが出来上がってました…笑

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