28*翌日。 ページ29
「行ってきますっ」
特別な朝、
玄関を開けると。
「おはよ、A!!」
天宮くんが、きらきらの笑顔で待っていてくれました。
*
歩きながら周りを見回し、
不安な顔で彼に言う。
「一緒に登校は嬉しいけどさ、…」
「ん?」
「……んーと、
…その、…いじめられそう」
「はぃ?!」
天宮くんはびっくりしてるけど、そりゃそうでしょ。
あの告白からの翌日一緒に登校って、妬まれそうな気がしてならない。
「天宮くんは自分がどれだけモテるか知らないんでしょ」
「荷物なら持てる!!」
「うん、もういいよ…」
まあ、隠しても仕方ないし。
昨日の会場の拍手を嘘だとも思わないから、堂々としていようかな。
自己完結してると、天宮くんも察しがついたらしい。眉を下げて難しそうな顔。
「っあー……わかんないけど、いじめられたら俺が土下座してやめてくださいって言いに行くから、誰にいじめられたか教えてね」
「守るとかじゃなくて?」
「そっちのが現実的じゃない?」
「……なんていうか、天宮くんらしい」
「それ褒めてる?!」
*
「「A、おめでとー!!」」
教室で待っていたのはいじめじゃなくて、なつめと優花からのお祝いの言葉だった。
「え?!嘘、なんで知って、」
「いやーだってさ!一緒に登校してるの見た人から噂回ってきて、校内その話で持ちきりで」
って、なつめ。
「まあ、ファンクラブの人が凄くてさ、天月くんの恋路は私たちが守る!みたいな、超健全な方向なわけ。だからA、守られてるよ。感謝しときなさい」
なんて、なつめの報告を聞いてかなり安心した。
いじめられなくて済むかも。
ていうか、恥ずかしいからって時間ずらして教室に入った意味、全くなかったのか。逆に恥ずかしい…!
「まあ、なんかあったら私たちが土下座してやめてくださいって言いに行くから安心して!」
「優花それどこで覚えたの?!」
「はいはい、席について、ホームルーム始めるよー!ほらみんな、他の人の恋愛に首突っ込まないの!ね!」
「ちょ、先生っ」
前の席の天宮くんが慌てると、歌詞先生はくっくっと笑った。
「大丈夫、教員の間でも有名になってるからね!君たちは!」
「えぇ?!」
ざわざわと笑いが起こる。
思いのほか暖かいような、
そんな空気です。
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イリカ(プロフ) - わ!楽しみにしてます!これからも頑張ってください!! (2018年6月3日 15時) (レス) id: 795815d954 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - イリカさん» そんなことないですよー!今はまだちょっと言えないんですが、本編の終わった直後にそのアイディアがちょうど入れられそうな番外編の構想があるので、楽しみにしていただけたらと思います…!多分月に憧れての方に入るので…! (2018年6月3日 6時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
イリカ(プロフ) - いえいえ、無理なお願いをしてしまい、本当に申し訳ないです。すみません!これからも楽しく拝読させていただきます!! (2018年6月2日 23時) (レス) id: 795815d954 (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - イリカさん» 本編に入れることは叶わなそうなので、それは申し訳ないです!> < (2018年6月2日 14時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
あきおと(プロフ) - イリカさん» ありがとうございます…!リクエストすっっっごく嬉しいです!!実はお話の展開が最後まで固まってしまったところなので、最終回の後に更新する番外編で、そのアイディアでお話書かせてもらってもいいでしょうか…?!私もぜひぜひ書かせてほしいです、、! (2018年6月2日 14時) (レス) id: 591088b3ea (このIDを非表示/違反報告)
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