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この子と2人きりなることはあまりなかった。りょうがいたり、虫さんがいたりと。でも、りょうがトイレに行き今は2人きり。
「ねえねえ、としくん」
「どうした?」
「りょうくんは?」
「トイレに行ってるだけだから、もうすぐ戻ると思うけど」
そう言うと少しだけしょぼんとなったA。そんなにりょうのことが好きなのか。
「としくんって猫アレルギー?」
「いや、違うよ。なんで?」
「わたしのことを見てるときの目が怖かったの」
そんなつもりはなかった。申し訳ないことをしたな…
「いまはやさしいからすき!」
抱きつかれているてつやとりょうはこういう気持ちなのか。頭を撫でると嬉しそうに上目遣いで微笑むA。……可愛すぎんだろ。
「としくん、おなかすいたぁ」
「もうそんな時間か。なに食べる?」
「なんでもたべる!」
自分で聞いたけど、まず人間のご飯食べたことないよな?何が好きなんだろう。周りを見回してみると、たこ焼きのお店が目に入った。
「たこ焼きにすっか」
「うんっ」
「食べたことある?」
「まえの人がお話してたから、きいたことあるよ」
あんまり思い出したくねえよな。俺たちでその辛い過去を忘れられるくらい楽しませれたらなって。
「無難なやつでいいか」
「いい匂い〜」
この子にはすべてが新鮮でキラキラして見えるのだろう。
「もってく!」
「熱いからだめ」
「えー」
さっきまで座っていたベンチに腰掛け、早く早くというように足をパタパタさせて急かしてくる。
「もう少し冷めてからな」
「んー、たべたいー」
冷めてきたかなというところで、ふーふーしてからAに食べさせる。
「んむ、おいひい!」
「よかった…」
唇にソースをつけて、黙々と食べるA。まだ子どもなんだもんなぁ。
しばらくすると、りょうが帰ってきた。
「遅くね?」
「ごめん、混んでたのと視聴者さんに会って」
「りょうくーん、!」
「おぉ、いい子に出来た?」
「うんっ!」
まだ、懐いてるのはりょうなんだな。
「としくんとね、なかよしなれた!」
「ほんと?よかった。たこ焼き食べたんだ」
「これは、りょうくんのととしくんの、はいっ」
綺麗に2つ残してあるなと思ったらそういうことなのか。いや、いい子すぎ。
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ニコニコ(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます!!そんなことを言っていただけて、作ってよかったなと思います、、。ありがとうございます!! (2018年11月28日 20時) (レス) id: faf3773d25 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ(プロフ) - アリスさん» お返事が遅くなってしまいすみません…!リクエストありがとうございます!!お時間頂くのですが、気長に待っていただけるとありがたいです。。申し訳ありません(;_;) (2018年11月28日 20時) (レス) id: faf3773d25 (このIDを非表示/違反報告)
優 - めちゃくちゃ好みの作品です!更新頑張って下さい!応援してます! (2018年11月28日 17時) (レス) id: b364b26750 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - リクエストいいですか、夢主がてつやと同じ年になるというお話とゆうかいされて助けにいくというお話をお願いします (2018年11月4日 11時) (レス) id: cb597fc79d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗弥 | 作成日時:2018年10月8日 21時