TOKAI CAT

（１６）* ページ17

.


「きょうはりょうくん来ない？」
「来ねえよ。みんな、休みの日」


そう伝えると、明らかにテンションが下がるA。まぁAが来てからというもの、ほぼ毎日のように会っていたから、りょう大好きっ子のAは寂しいだろうな。

……にしても、可愛い。


「あしたは？」
「明日も来ねえかな」
「……な、んでぇ、っ」


今にも泣きだしそうなA。「りょうも忙しいんだよ」と伝えると、ついに泣き出してしまった。


「あ〜もうそんなりょうが好き？」


大きくなったとは言っても、それでも俺からしたらまだ小さい。150センチくらいだろうか。そんなAを向かい合わせで抱いて慰める。


「てっちゃ、もすきっ」
「いい子だ〜」


頭をよしよし撫でると、「でもね、」と続けるA。


「ん？」
「りょ、くんもすきなのっ、」


顔を赤くしてそう言う。りょうに言ったら嬉しがるだろうな。……絶対言ってやらん。というより、この姿を誰にも見せたくない！


「呼んでやりたいけど、今日は我慢」
「わかった…、」


Aが泣いてると呼んだら絶対に来るだろう。でも、今は俺のAだから、横入りしてもらっちゃあ困る！

好きなアニメを見せて、ようやく泣き止んだA。大きくなったAは俺のもの。


「あ！いま、ちゅーした！」
「ちゅーなんて言葉、いつ知ったん？」
「まるがいってた！」
「あいつ…」


ゆめまるのやつ、色んなこと教えそうだな。この子には純粋無垢のまま育って欲しいんだよ。。


「まる、なんて言ってた？」
「てっちゃんにしてもらいな〜って！」
「何言ってんだ、」


今度会ったらAを汚すなと言っておかないと。そろそろ昼飯の時間だから、出前でも取ろうかとAに声をかけると、元気よく返事をして、ぱっと俺の方を向き、


「てっちゃん、いつもありがと！ ごほーび！」


と言って、ちゅっと音でもなるように、優しく頬に口付けされた。

……やっぱり、こいつ可愛い。(2回目 )


.

（１７）→←（１５）*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す