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試合後の整列の後

知り合いなのか

相手チームのキャプテンらしき人と楽しそうにお喋りしてて

田中くんの人脈の広さに驚く

暫くして

選手たちが観客席まで来た

その中にもちろん田中くんもいる訳で

「樹おつかれ～！」

という女の子のキャピキャピした声が聞こえる

それなりに長い時間コートを走り回って疲れてるはずなのに

樹「お～！ありがと！」

と笑顔で答える田中くんはさすがだ

やっと自分の荷物のところまでたどり着いたみたい

『おつかれさま』

樹「ありがと」

千夏「これ、そこの3人から」

って私が渡したスポドリを差し出す

すると田中くんは嬉しそうに

樹「えー！まじ？

助かる～！ありがとね」

と受け取ってくれた

樹「あ！あのさあ！あれ！

Aちゃんが試合前に頑張れってやってくれたの

めっちゃ効いたわ！」

と、私の真似なのか

胸の前で小さくガッツポーズをした

そう言われるとなんだか急に恥ずかしくなる

『そっか、よかった！』

と返したものの

内心あんなことしなきゃ良かったって後悔してる

あ～恥ずかしい

柄にもないことするんじゃないな…

大我「ねえ、樹、俺は～？」

樹「きょものお手振り最高だった～！

今日は絶対調子いい！」

と、デレデレニヤける田中くんと満更でもなさそうな大我先輩

あ、この2人こういう感じね

了解です

大我「樹、かっこよかったよ」

樹「よっしゃ

きょもに言われるといつもの100倍嬉しいわ」

なあ、田中

口元緩みすぎだろ

ああ、いけないいけない

私のブラックな部分が…(？)

ちなみに、

田中くん、私、大我先輩

の順で座ってるから

必然的に2人に挟まれてて

私と大我先輩の席変わった方がいい？

と、若干の気まずさを感じていたら

樹「ねえ、俺、かっこよかったっしょ」

突然こんなことを聞いてきた

『え？うん、まあ？』

樹「まあってなに

まあって！」

『声援がすごくてそっちに気取られてた…から…

田中くんって人気者なんだなとは思った

あと、バスケ上手いんだなって』

と、素直に答えた

すると田中くんは

樹「よし、次は声援に負けないように頑張るわ！」

とはにかんだ

その笑顔にちょっとだけきゅんとしたのは気のせい

そう、きっと気のせい

あれだ、体育祭マジック的なやつ

運動できる人がかっこよく見えるみたいな

そう言い聞かせて

『うん、頑張って』

と微笑んだ