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樹「えーっと、みや、した、さん？だっけ？

初めて話すね、よろしく」

『よ、よろしく？』

松村と私のやり取りを黙って聞いてた田中くんに急に話しかけられて上手に答えられなかった

北斗「なあ(笑)

お前いい加減人見知り治したら？」

顔が引きつってたのか、松村に笑われる

樹「Aちゃん人見知りなの？

なんかぽいね！

あ、俺って怖い？」

なんかすごい勢いで話しかけられて戸惑う

Aちゃんって呼ばれてるし

『は、はあ、

こわくは、ない、よ…』

本当は苦手だし怖いけど

一応怖くないって言っといた

北斗「嘘つくなよ

顔に『怖い』って書いてるよ」

樹「ちょっと！それ気づいてたけど言わなかったのに！」

あ～、またやっちゃった

Aって顔に出やすいよね

って散々言われてきたから気をつけてたのに

『なんか…ごめん』

樹「いいよ全然

気にしてないし

あんなに顔に出るの逆におもろいもん」

逆にって何？？？

と思ってるとチャイムが鳴った

これ以上話すともっと失礼なことしちゃう気がして

内心、助かったと思った

．

のも束の間

地学の教科担任は、自分たちの担任、阿部先生なんだけど

授業開始早々

妊娠中の奥さんが倒れたとかなんとかって連絡が来たらしくて

血相変えて教室を出ていった

授業は自習になったけど

急だったから代わりの先生が見つからなかったらしく

最早教室は無法地帯

騒ぎすぎると他のクラスにバレるから

煩い訳では無いけど

友達と話したり

寝たり

スマホいじったり

各々好きなように過ごしてる

特に話し相手もいない私は

真面目に自習してる松村の椅子を揺する

北斗「…なに？」

『暇』

北斗「自習しろよ」

『やだ』

北斗「また赤点取るぞ？」

『地学は大丈夫だもん』

松村と言い合い(？)してると

樹「ていうか、北斗にも女の子の友達居たんだな」

ってさっきまで他の子と話してた田中くんに話しかけられる