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ちょっと早く授業が進んだけど

次の単元に行くと中途半端になるからって

少しだけ早く授業が終わる

他のクラスはまだ授業中だから

各々騒がないように好きに過ごす

さっきまで目は冴えてたのに

急に襲って来る眠気

目の前で松村と田中くんが話してるけど

眠過ぎてぼーっとしてる

あ、あと10分で終わるのか

と時計を見ていると

急に意識が遠のいて

ガクッと頭が揺れる

頬杖を着いていた手が勢いよく棧に当たって

『いった～』

と小さく呟くと

その様子を見ていた田中くんが

樹「今日ずっと眠そうじゃん(笑)

手、大丈夫？すごい痛そうにしてたけど」

と、笑いながらも心配してくれて

『うん、大丈夫』

とは言ったものの

手の甲の骨の出てるところと棧の角が当たったのか

少しだけ血が出てる

北斗「血出てんじゃん」

『これくらい大丈夫だよ』

なにやらペンケースの中を漁る松村

ん、と差し出されたのは少しシワの入った絆創膏

なんでペンケースに絆創膏なんて入れてんの…？

北斗「これ貼っときなよ」

『え、いいよ』

北斗「制服に血着くと嫌じゃん」

『あ、確かに』

と言って有難く受け取る

樹「なんで筆箱から絆創膏？？」

さっきの私の疑問を田中くんが言う

ナイス田中！

北斗「なんで入れたか忘れたけど結局使わなくて

いつか使うかなってそのままにしてた」

ああ、なんとも松村らしい

そんな会話を聞きながら絆創膏を貼ろうとしたが

利き手じゃないから貼りにくい

『ね、松村貼って』

北斗「はあ、お前ってほんとに世話のやける赤ちゃんだな」

『仕方ないじゃん

利き手怪我したんだから』

嫌そうな顔をしながら

綺麗に貼ってくれた

結局松村って優しいんだよね

口は悪いけど

そんなこと言ったら

お前に言われたくねえ

って言われるんだろうけど