ならばおさらば nk→kr ページ30
なかむside
※曲パロ
コトコトさんリクエスト
リクエストありがとうございます！！
｢あーもう、｣
なんか、いやになったっぽい。
何度も何度も何度も、何回彼に言ったってやめてくれなかった。
その度に泣いて、泣いて、泣いて。
あぁいやだ。もういやだ。
いきんだところで涙なんてもうでないし。
｢クソ野郎が｣なんて言う言葉しか口からは出てこない。
｢...なにいきなり。ひどくね？｣
｢別にいきなりでもなんでもないだろ！？｣
｢あーはいはい、ごめんって。ね？仲直りしよーぜ、好きなのはお前だけだってば。｣
毎回毎回、いつもいつもこうやって絆されてきた。
好きだと言われて嬉しくなって。
優しくて大きな手で撫でられるのだって嬉しくて。
でも今は大嫌いだ。
ぶらぶらし続ける定まらない愛なら、もう要らない。
ずっと独占したくて手を伸ばしていたあの朝日色の瞳も、もう。
｢何？別れたいってか？｣
｢そうだよ。｣
｢今までそんなこと言わなかったくせに？｣
｢...言わなかっただけで、ずっと思ってたよ。｣
裏切られ続けて、その度に泣くくらいなら。
定まらない彼の愛を求め続けて、喉を枯らすくらいなら。
何より欲しかったものが手に入らないなら、もう。
あぁもう、どうでもいいんだよ。
｢何それ、俺のこと好きって言ってたくせに？｣
｢だから...っ、｣
あぁクソ野郎。
愛されることが当然になった馬鹿野郎。
好きって言ったさ。だから何だよ。
人の気持ちなんて変わるだろ。
現にお前がそうだったじゃんか。
なんで自分は棚に上げてんだよ。
なんで俺が責められてんだよ。
｢だから、なに？｣
｢っ...！｣
苛立ちが込み上げる。
言いたいことが多すぎて、声にも出ない。
口内を強く噛み締めた。
不思議と血も、涙も出なかった。
｢......だい、きらい...っ、｣
声が詰まる。
確かに昔は好きだった。愛してた。
愛されて幸せだった。
でも今は違う。嫌いだ。きらい。
...大嫌い、だ。
｢...あっそ。｣
｢何度言ったって浮気繰り返すし、俺の話は聞かないしっ！｣
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作者名：ローゼ | 作成日時：2021年8月12日 19時
