▽ ページ24
｢......1回寝たからか...｣
つまりはそういうことである。
この男の馬鹿な勘違い。
よく聞くだろ、一夜の過ちってやつだよ。
責任とるとか思ってんなら、別に。
女でも無いんだし。
｢...別に無理して付き合わなくてもいいんだけど。｣
｢は？｣
｢あれだろ、責任取る的な。いいよ、孕む訳でもあるまいし。｣
｢いや、ちょっと待て。｣
｢お前はノンケなんだろうし、無理しなくていいって。いやまじで。｣
口元を歪める。無理やりに作った笑顔が、君にバレなければいい。
ちょっと、だけ。胸がいたい。
この後返されるだろう言葉を予想して、失恋の痛みに備えてみる。
...1度だけでも触れて貰えて良かっただろ。
十分な思い出だろ。...覚えては、いないんだけど。
｢......俺は。｣
美しい紫色が、こちらをじぃと見据えていた。
その瞳に映る俺の顔が、少しばかり引きつっているような気もする。
きっと気づかない。どうせ気づかない。
だって、俺とお前は、恋人でもなんでも＿＿
｢お前が好きだから、抱いた。｣
直球ドストレート。
馬鹿みたいに真っ直ぐな言葉。
そんな言葉が。そんな愛の言葉が。
お前の口から出るなんて、夢にも思っていなくて。
ひとつ、息を吸った。無意識に。
きゅう、と胸の奥が熱くなる。
｢...お前も、同じだと思ってたから。勘違いだったなら、悪かったよ。｣
そう言って、少しバツの悪そうな顔をして彼は目を背けた。
手に触れていた、少し低めの体温が離れていく。
そのまま背を向けた彼の服の裾を、まだ痛む腰に鞭を打って引っ張った。
無意識に、口角が上がる。
｢......同じだよ。ばーか。｣
彼氏面するんなら、もう一度告白して見せろ。ばーか！！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
※付き合ってないです
※付き合ってないです
※付き合ってないです
※付き合ってる話よりもゲロ甘だけど付き合ってないです
元々割と糖度高めで書こうと思って書いてたけど作者もびっくりのゲロ甘具合になってびっくりです(語彙力)
何度も言うけど付き合ってないです
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作者名：ローゼ | 作成日時：2021年8月12日 19時
